仕事の現場において大切な「コミュニケーション能力」。仕事の知識やスキルと同等、もしかしたらそれ以上に、仕事にはコミュ力が求められますよね。もちろん、職種によって人と関わる度合いは変わってきます。
しかし、「誰とも関わらなくて良い仕事」というのは、ほとんどありません。
特に、「会社」という組織に属して仕事をしている人にとっては、人とのコミュニケーションは避けては通れないものと言えるでしょう。
人との関わりは、往々にして自分の思惑通りにはいかないので、つまづくことも多いです。仕事自体は楽しくてやり甲斐もある。
でも、人との関わりの部分で歯車が狂い、毎日の仕事が辛くなったり、転職を余儀なくされたという方も、決して少なくはないはずです。そして、コミュニケーションでの苦い経験は、仕事のミスよりも心に深く突き刺さって、次に進む足取りを重くするもの。
何とかここを乗り越えて、うまく立ち回る術はないものでしょうか?ここでは、社会人として、会社人としてのコミュニケーション能力に焦点をあてて、より良い方法を考えていきます。
目次
苦手な人とも関わらなければいけないのが社会
自由に友達を選べる学生時代とは違い、社会では苦手な人ともコミュニケーションを取っていかなければなりません。
社内の上司、先輩、同僚に加えて、取引先の担当者など、人との関わりを避けて通ることはできません。だからこそ、できるだけ器用に関わっていきたいですよね。
苦手な人がいるのは仕方のないことです。ただ、社会では「苦手だな」という気持ちを表に出さないのが鉄則。
相手によってあからさまに態度を変える人もいますが、ここはひとつ大人になって、分け隔てなく人と接するように心がけましょう。
その方が、業務連絡ひとつ取っても円滑にこなすことができます。ギスギスの原因をこちらからは作らないことが大切です。もし「なんでこっちが我慢しなきゃいけないんだ!?」と思っても、「仕事だから」と割り切ってしまえば、少しは気持ちが楽になります。
挨拶は仕事の一環と心得よ!
気持ちの良い挨拶は、より良い人間関係の後押しをしてくれます。就職や転職をしたばかりなら、顔と名前を覚えてもらうきっかけにもなりますね。
「おはようございます」や「お疲れ様です」に加えて、「ありがとうございます」や「申し訳ございません」なども、自然に言えるようにすると◎。
当たり前のことのようですが、できていない社会人も多いのです。特に、礼儀などに緩い職場の場合は、このあたりがなあなあになってしまいがち。
でも、「どんな環境でも自分だけは最低限の礼儀を通す!」くらいの気持ちで、ブレずにいきましょう。
最初に好印象を持ってもらえたら、後々が楽になりますよ。
「あいづち上手」・「聞き上手」になれ!
これは、コミュニケーションスキル向上のコツとして有名なものです。
話をするのが苦手という人も、あいづち上手、聞き上手になれば、自然と会話が成り立つものです。むしろ、相手の話を聞くよりも、自分の話を聞いて欲しいと思っている人は非常に多いです。
特に上司や先輩など目上の人が相手のときは、自分がベラベラと喋るよりも、相手の話に耳を傾けることの方が大切。「自分の話は2割で良い」という意見もあります。
「興味深く聞いていますよ」というサインとして、相槌を打ったり、時々質問をしてみたりすると良いでしょう。
目線はしっかりと合わせることが大切ですが、あまり凝視すると相手を戸惑わせてしまうこともあるので気をつけましょう。
相手の言葉を繰り返す「バックトラッキング(おうむ返し)」も、しっかり話を聞いていることを印象付けられます。あまりくどいと変なので、ポイントを掴んで自然に取り入れましょう。
相手の話は、とりあえず一旦は受け入れる
例えばある仕事のやり方に対して、「この方がいいんじゃない?」という意見をされたとします。それが自分の考えているやり方と違っていて、どうしても受け入れ難いとき、あなたはどう返しますか?「でも、それではやりづらいので、自分はこうします」と主張しますか?
それでは、相手の意見をはなから否定することになってしまうので、オススメしません。
特に相手が上司や先輩である場合は、相手のプライドを傷つけてしまいますよね。
「違うな」と思うことでも、一旦は受け入れて返事をしましょう。「なるほど、そういうやり方もありますね!」の一言だけでも、相手は「受け入れられた」と感じます。
そしてそれが自分の考えと相容れないものである場合は、無理して遂行する必要はないのです。
後で突っ込まれたら、「いろいろ試してみたんですが、自分にはこれが一番やりやすかったみたいです。せっかくアドバイスいただいたのにすみません、また意見聞かせてください。」・・・これでOKです。
もちろん、有意義な意見がもらえることもあるので、反対意見をすぐに退けず試してみる受け入れの姿勢も大切ですよ!
アイ・メッセージ
相手の仕事に対しての感想を述べるときに、「よく頑張りましたね」と言われるのと、「あなたが頑張っている姿を見て、自分ももっと頑張ろうと思いました」と言われるとは、どちらが心地よいでしょうか?
自分の立場が上ならば、前者でもそれほど問題がないのかもしれませんが、後者の方が相手の気持ちをほぐす言い方だと思いませんか?
前者のような、相手を評価するような言い方を「ユア・メッセージ」といいます。
それに対して、後者のように自分の気持ちを伝える言い方を「アイ・メッセージ」といいます。
コミュ力を上げたいなら、自分の気持ちを伝える「アイ・メッセージ」がオススメ。
人は、他人から評価されたり、上から物を言われたりすることを好みません。
不適切な行動を諌めるときも、頭ごなしに文句を言うより、「自分はこういう気持ちになった」と言う方が柔らかく、相手も受け入れやすいです。これは、子育てなどにも応用できるスキルです。
ユア・クエスチョン
相手に質問をするときは、アイ・メッセージとは逆で、相手に主体性を持たせるようにします。具体的に言うと、「あの映画面白かったよね?」という聞き方ではなく、「あの映画どうだった?」という聞き方。
これを、「ユア・クエスチョン」といいます。相手の気持ちを先に決め付けず、相手が自由に話せるような聞き方です。
こうすれば、「Yes」「No」だけで会話が途切れることもなく、話がはずみます。「話がはずむ=話しやすい=話していて楽」となれば、相手との関係はどんどん良好になります。相手を知り、自分を知ってもらう機会も増えますので、良いことずくめですね。