転職活動中の電話の掛け方・折り返し方のマナーを知って好印象をゲットする方法

ビジネスマナー

転職活動において、面接日を決めたり、採用に関する質問をしたり、様々なシーンで発生してくるのが「企業との電話」です。
この電話のやりとりを、些細なこととして侮ってはいけません。電話でのやりとりが、その後の面接に大きく影響する可能性だってあるのです!

電話で良い印象を与えれば、「感じの良い人だったな、早く会ってみたいな」と思ってもらえます。
反対に、「なんだか失礼な対応だったな」とか、「敬語の使い方がめちゃくちゃだったな」、「マナーがなっていないな」等と思われると、面接前からマイナスの印象を与えてしまいますよね。

電話対応は社会人としての最低限のマナー

電話応対は、入社後に仕事を始めてからも、非常に大切な「社会人の基本スキル」です。
特に、入社したばかりの時期は、電話を取る機会が多いのが一般的。「新人のうちはできる仕事が少ないから」・・・という理由だけではありません。
クライアントや業者の名前を早く覚えるためには、とにかく電話をたくさん取るのが一番!と考えている企業も多いので、電話応対にはポジティブに取り組みたいところ。

そして、研修の一環としての電話応対であったとしても、相手は大切な取引先であったりするので、最低限のマナーとスキルが求められます。

転職者の場合、社会人経験があるということで、電話応対のマナー・スキルは「当然」身に付いているものと考えられています。
そのため、転職活動中の電話のやり取りで採用担当者に「アレ??」と思わせてしまうのは、思った以上の打撃になるのです。

姿が見えないからこそ、電話のマナーはとても大切。
相手に不快感を与えず、きちんとした対応で好感度を上げることができるように、しっかりと準備をしておくことをオススメします。

ここでは、企業との電話で「やってはいけないこと」「使ってはいけない言い方」などを紹介しながら、理想的な電話のマナーを学んでいきましょう。

うっかり使ってしまいがちな「間違った敬語」

当たり前のように使っていた敬語が、実はとんでもない間違いだったということがあります。
せっかく丁寧に話しているつもりでも、間違った敬語を使っていたら、イメージダウンに繋がってしまいます。
ありがちな「敬語の間違い」と、「正しい言い方」をいくつか紹介してみましょう。

・「○○でよろしかったでしょうか?」

相手の承諾を得たり、何かを確認するときに、よく使う言い方。でも、「よろしかった」という過去形を用いるのは間違い。
正しくは、「よろしいでしょうか?」と言います。

今お時間よろしいでしょうか?」、「持ち物は○○でよろしいでしょうか?」等、登場頻度の高い言い回しなので、しっかり抑えておきたいですね。

・「了解しました」

「了解」という言葉には尊敬の意味が含まれておらず、どちらかというと上から相手を見て「許可する」「理解する」といった場合に使われる言葉です。
なので、上司から部下に対して「了解」を使うのは問題ないのですが、目上の人には使わない方が良いです。「了解しました」「了解いたしました」と丁寧に言ったとしてもNGです。

言い換えとして最も適しているのは、「承知いたしました」です。「承る」という言葉は謙譲語なので、目上の人やお客様に対して問題なく使えます。
「かしこまりました」も謙譲語なのでOKですが、対クライアントに対する言い方というイメージが少々ありますね。

転職活動や社内のやりとりでは「承知しました」か、「わかりました」が良いでしょう。

・「○○してください」

「してください」は、丁寧語ではありますが、実は「丁寧な命令言葉」。相手に選択の余地を与えず、こちらの希望を一方的に伝える言い方です。
「○○して頂けますでしょうか」と、相手がYES・NOを判断する余地を持たせた言い方が良いでしょう。

相手の都合を第一に考える

あなたからの電話は、企業にとっては「業務中にかかってくる電話のうちの一本」です。
もしかしたら、とても忙しいときにその電話を受けている可能性だってあるということを、必ず念頭に置いておくようにしましょう。

自分がフリーでも、相手が忙しそうな時間帯には、電話は避けた方が無難です。
例えば、朝の始業時から30分くらいの間は、朝礼やメールチェックなどで忙しいことが多いです。また、採用担当者が不在になりがちなお昼前後、就業時刻以降の電話も避けましょう。

担当者と電話がつながったときも、まず「今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」と、相手が今話せる状態かどうかを尋ねるのが礼儀です。

また、転職活動中の電話のやりとりでは、面接の日時などを調整する場面が多いと思います。
先方から候補日をいくつか提示されてから、ゴソゴソとスケジュール帳を取り出して、相手を待たせるような行為はNGです。

電話をかける前に、スケジュール帳やメモ帳、筆記用具の準備をしておきます。
どうしても待ってもらわなければならないときは、「申し訳ありません、確認致しますので、少々お待ち頂けますでしょうか」と、丁寧に断りましょう。

相手が不在の場合にどうするか?

電話をかけたときに、採用担当者が不在の場合、あなたならどうしますか?
「相手の都合に合わせるのが良いとすると、都合の良い時間に折り返してもらうのが良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、折り返しの電話は相手の手間になることなので、こちらから折り返しを依頼することは避けましょう。

「またお電話させていただきます」、とした上で、相手が日常的に不在がちであるようなら、「恐れ入りますが、もしご都合の良いお時間帯や、お忙しいお時間帯などがございましたら、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」と聞いてみると良いでしょう。

クッション言葉を上手に使う

転職希望先の企業との電話は、やはり緊張しますので、言葉がスラスラと出てこないことも多いと思います。
どんなに練習を重ねていても、スムーズに話せないことだってありますよね。

それなら、上手な「間のつなぎ方」を習得して、「落ち着いて話す」&「好印象を与える」の両方を実現してしまいましょう!

「あの~」「その~」「えっと」などは、つい言葉の合間に出てきてしまいがちな言葉ですが、自信がなく頼りない印象を与えてしまいます。
できるだけ避けるようにしたいですね。

一呼吸置きたいときには、受け答えの前に「はい」と挟むようにすると、印象が良いです。

伝える内容の前に「クッション言葉」を添えると、さらに好印象になる上、落ち着いて話をすることができるのでオススメです。
「恐れ入りますが」、「お手数をおかけしますが」、「もしよろしければ」、「差し支えなければ」等等、ビジネスシーンで活躍する様々なクッション言葉があります。
これらに共通するのは、「相手の気持ちに寄り添う言葉である」ということです。

クッション言葉を添えることで、同じことを話していても、柔らかく丁寧な印象になります。
次の言葉を準備する間を作ることもできるので、うまく活用していきたいですね。

その他、転職活動の電話の基本

転職活動中は、出先から携帯電話で電話をすることも多いと思います。その場合は、通話中に電話が切れることがないように、電話をする前に、電波状況や充電状況を確認しておきましょう。

転職活動が進んでくると、何度も担当者と電話でやりとりをして、慣れてくることがあります。
しかし、初心を忘れずに、丁寧な言葉遣いを常に心がけるようにしましょう。
電話をかけたら、「わたくし○○と申します」、「人事担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか」等、基本的な電話のマナーを疎かにしないようにしたいですね。

また、面接時に採用担当者とかなり打ち解けたとしても、その後の電話で面接時のノリを継続するのはオススメしません。
電話は、相手の顔が見えません。礼儀正しく、「採用担当者と応募者」という立場を忘れずに会話をしましょう。

面接の日時など、決して間違ってはいけないことについては、復唱をして確認するようにします。
丁寧な電話マナーに気を取られて、肝心なところを間違っては元も子もないですよね。

「復唱させていただいてもよろしいですか?」と一言断ってから、「○○でお間違いないでしょうか?」と確認すると良いでしょう。
これは、入社後に取引先等とのやり取りでも活かせる言い方なので、ぜひマスターしておきましょう!