経験者だからこそ見直したい「転職の面接のイロハ」

転職

採用試験では、必ず「面接」が行われます。
履歴書やエントリーシート、適性検査を無事にクリアしても、「面接」でコケてしまえば一瞬にして水の泡。

採用か不採用か、最後の決め手を作るのもやはり「最終面接」であることがほとんどです。
無事に内定を獲得し、転職に成功するためには、「面接」対策を入念に行っておくことが必須です。

企業・職種によって、面接で求められるものが違う

転職活動をしている人は、少なくとも新卒の時に一度は採用面接を経験していますし、社会人経験もあるので、面接での振る舞いで大きなミスをすることは考えにくい、と思われるかもしれません。

しかし、初めての経験ではないとはいえ、採用担当者と直にやり取りをする面接は、緊張を伴うものです。
たとえ百戦錬磨の営業マンでも、クライアントと対峙する時とは、また違った趣の緊張感がありますので、思ってもみなかったような失敗をしてしまうこともあります。

また、社会人経験の中で培われてきた対人スキルが、面接のマナーではNGであることも少なくありません。

つまり、経験が仇となることもあるのです。所属する企業や職種によって、理想的なスタイルというのは変わってきますよね。
折り目正しい几帳面な印象が良しとされるシーンもあれば、フランクで親しみやすい振る舞いが好まれるシーンもあります。

社会人経験があると、確かに基本的なビジネスマナーや度胸などは身に付いています。
しかし、あくまでそれは「前職(現職)において」理想とされるスタイルです。

中途採用試験に臨む者として、どう評価されるのか?応募先の企業で好意的に受け止められる人物像とマッチしているのか?そこをしっかり考えて、必要に応じて軌道修正をしていく必要があります。

まずは基本に立ち返ることが大切です!

新卒採用の時の面接を思い出してみてください。

ガチガチに緊張して、まるでロボットのようなお辞儀をして、定型文どおりの挨拶をして・・・多くの方がそんな経験をお持ちなのではないでしょうか?
その後無事就職をして、社会人として経験を重ねると、新卒採用面接の時のぎこちない自分の振る舞いを、滑稽に感じてきますよね。

しかし、そのぎこちない振る舞いは、採用試験を受ける者としての基本を忠実に抑えたものであることを忘れてはいけません。
社会人経験を活かして肩の力を抜くことは大切ですが、それは「基本の態度を崩してよい」ということではないのです。

「基本をしっかり抑えながら堂々と振舞う」ことが、中途採用面接において大切なことなのです。
「今さら」とは言わず、基本をしっかり復習しておきましょう。

服装で気をつけること

スーツは、派手なものや個性的なものは避けましょう。
仮にファッショナブルなスタイルが求められる職種であっても、面接時には清潔感や堅実・誠実な印象の方が重要です。

男性の長髪は嫌われることが多いので、短髪に。
極端に短くする必要はありませんが、少なくとも、前髪や襟足、耳元などはスッキリと整ったスタイルが好ましいです。
女性も、髪が長い人はきっちりまとめましょう。

約束の時間の何分前に訪問する?

遅刻をしないようにするのは当然ですが、あまり早すぎても先方の準備が整っていなかったり、採用担当者の手が空いていなかったりすることもあります。
一般的には、5分前の訪問がベストと言われています。

電車の遅延などやむを得ない事情で遅れる時は、電話連絡を忘れずに。

面接開始時のマナー

面接室に入るときは2、3回ドアをノックして、面接担当者から「どうぞ」と声がかかるのを待ち、「失礼します」と言ってから、静かにドアを開けます。

ドアを開けたら面接室に一歩入り、「○○と申します、よろしくお願い致します」と名乗って一礼します。
その後ドアを閉めますが、後ろ手でぞんざいに閉めるのではなく、ドアの方を向いて静かに閉めるようにします。

ドアを閉めたら、自身が着席するイスの前に立ち、面接担当者から「どうぞお座りください」と言われてから座ります。
カバンは倒れないように、イスの脚に立てかけると良いですね。

面接中のマナー

相手の目をしっかりと見て、ハキハキとした声で話しましょう。

面接担当者から名刺をいただいた場合は、「頂戴致します」と言って両手で受け取り、目を通してからテーブルに置きます。
名刺入れを台にするとより丁寧な印象になります。名刺入れにしまうのは、面接が終わってからです。

もしテーブルがなかったり、名刺を置くスペースがない場合は、やはりしっかりと目を通してから、名刺入れにしまうようにしましょう。

馴れ馴れしい態度はいけませんが、リラックスしてスムーズにコミュニケーションを取ることも大切です。
礼儀正しくスマートに振る舞いながらも笑顔を忘れずに、会話を楽しむくらいのつもりで。社会人経験の見せ所ですよ!

退室時のマナー

イスから静かに立ち上がり、イスの脇に立って「ありがとうございました」と一礼します。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」の一言も添えられると良いですね。

ドアを開けて外に出たら再度室内を向き、面接担当者に一礼してからドアを閉めましょう。
退室後も、会場から外に出るまでは、「見られている」という意識を忘れずに、礼儀正しく、凛々しく振る舞ってくださいね。

転職面接の「自己PR」は勢いだけではNG!

面接で必ず付いてくるのが、「自己PR」の時間。
率直に「自己PRをしてください」と要求してくる場合もあれば、「長所や短所について教えてください」というような聞き方をしてくる場合もあります。

ここで注意していただきたいのは、新卒採用面接と中途採用面接の微妙な違いです。

新卒のときは、多少ズレた答えをしていても、「元気が良い」「ポジティブである」「やる気がある」などの要素が好意的に捉えられることが多いです。
なので、慎重になりすぎてオドオドしてしまうより、ある程度勢いで乗り切るような部分も必要とされてきます。

しかし、中途採用の場合は、やる気や元気ももちろん大切なのですが、ある程度の「思慮深さ」も求められてきます。
萎縮してしまうのはいけませんが、ただ「元気」なだけでは物足りず、「堂々とした」「理性のある」振る舞いが求められてきます。

事前にしっかりと自己分析をして、自分の長所や短所を明確にしておきましょう。
そして、就職した後に長所をどんなところで活かせるのか、短所をどのように克服していきたいか等を盛り込んでアピールできると上出来です。勢いまかせにせず、落ち着いて話すことが大切です。

もちろん、仕事に対する意欲は積極的にアピールしていきましょう。

「お礼状」は出すべき?

お礼状は必須事項ではありません。お礼状を出すか出さないかが合否に影響するというケースはほとんどないので、出さなくてもOKです。

しかし、面接の時間をいただいたことへの感謝の気持ちを伝えたい場合、マイナスになることではありませんし、先方に丁寧な印象を与えるには違いないので、したためてみるのも良いですね。
電話をすると採用担当者の仕事を中断させてしまうので、書面の郵送かEメールが好ましいと思います。

ただ、面接からお礼状送付までの間隔が空くのは良くないので、面接当日か翌日のうちに出すようにしましょう。

遅れてしまった場合には、むしろ出さない方が無難です。また、文面に長文の自己PRや結果連絡を催促するような内容を書くのはNGです。
感謝の気持ちに、少しだけ熱意を添えるくらいが妥当。
シンプルにまとめるようにしましょう。