持ってるだけじゃ意味がない!「資格」を活かして転職する方法

転職

就職活動や転職活動の時に心強いものといえば「資格」。
様々な仕事に役立つ資格を持っていると、採用されるチャンスがUPすることはもちろん、その後の待遇が変わってくることもあります。

この部分を強く意識している人は、学生のときから資格取得につながる講義を積極的に選択して単位を取ったり、独学あるいは塾などに通って資格を取得したり、努力を重ねてきたことと思います。

また、世の中には資格や免許ありきの職業も多数存在するので、早くから特定の職業に就きたいという志があって、そのために何年か学校に通ったという人もたくさんいるでしょう。

しかしその一方で、受験戦争を経て高校や大学へは通ってきたけれど、これといって就職時に役立つような資格を取ってこなかったという方も、少なくないのではないかと思います。

履歴書の『免許・資格』の欄は気にしないでいい?

他ならぬ私もこのタイプで、新卒で就職活動をした頃は自動車運転免許も持っていなかったため、履歴書の『免許・資格』の欄はいつも空欄で、面接のたびに非常に気まずい思いをしたものです。

さらに私はコテコテの文系だったため、大学卒業時は本当に何のスキルもない「ただの人」だったのです。

時間はたくさんあったのに、なぜその何割かでも資格取得のための勉強に費やさなかったのか・・・なぜ資格のための単位取得を「面倒臭い」などと思ったのか・・・。就職活動が難航していた時は、そんな自分をひどく責めたものでした。

言い訳がましくなりますが、「ただの人」で就職活動に臨まなければならない事態を引き起こした要因の一つは、あの頃の自分は自身の「就職」についてかなりぼんやりしたイメージしか持てていなかったことだと思います。

だからこそ、自分が興味のある職業にどんな資格が役立つのかを理解していなかったし、周囲から「この資格は持っていて損はない」と言われても、具体的にどう活きてくるのかがイメージできないどころか興味も沸かないという有り様で、参考書などを買ってみてもモチベーションがあがらず、努力を継続することができませんでした。

資格の取得は学生の特権ではない

確かに、時間のゆとりのある学生の間の方が、資格取得のための勉強はしやすいです。ただ、モチベーションという意味では、就職後の方が断然有利なのではないかとも思うのです。

社会人としての経験を積んでいく中で、将来へのビジョンも具体的になり、自分がこれからどういう仕事に携わっていきたいのか、どの分野でスキルアップしていきたいのかが明確になってくるので、そのために必要または有利な資格があれば「取得するしかないだろう!」という気に自然となれる。

時間があってもやる気がないとできないのが勉強です。
逆に言うと、やる気があれば何とか時間を作って勉強するもの。

ここでまず重要なことを確認しておきます。
資格取得は、「今からでも遅くはない」のです!

資格取得を仕事にどう活かすか?

さて、前フリが長くなってしまいましたが、本題はここからです。
どんな資格でも取得のためには大なり小なりの努力と時間が必要で、苦労して取得した資格に関しては、誰もが就職活動時に意気揚々とアピールしていきたい気持ちになると思います。

しかし、資格は持っていても役に立たないことがある、そして持っているだけでは意味がないことも多々あるという重大な事実に目を向けなければなりません。

就職活動、特に転職活動のときには、そのことを十分に考慮した上で、「仕事にどう活かせるのか」という部分を明確にした上で保有資格をアピールしていくことが必要になります。

極端な例を挙げれば、「電気工の仕事をするのにカラーコーディネーターの資格は役に立つか?」「SEの仕事をするのにクレーン運転士の資格は役に立つか?」というように、畑違いの資格は持っていても活きませんよね。

採用する企業側が最も知りたいのは、何か自社の業務に役に立つ資格や免許を持っているかどうかという所なので、ほとんど関連のない資格や免許については、履歴書に書かれても興味を示さないどころか、面接時に思いがけない火種になることもあるので注意が必要です。

新卒時の資格と、転職時の資格は意味が違う

新卒での就職活動の時は、「こういう勉強をしてきた」「この資格を取得するためにこれだけの努力をした」という自身の根幹となる部分のアピールになるので、『免許・資格』欄に書くこと自体は構いません。

ただ、あまりに関連がなさすぎると、面接で「この資格は何のために取得したの?」「こんな資格を持っているのに、何故うちの会社なの?」というツッコミを浴びることもあるので、回答を準備しておく方が無難です。

転職活動の時は、学生時代にカリキュラムの一環として取得した資格や、前職でその保有資格に関連のある仕事をしていた場合に、自身の経歴を示す材料としてアピールするのは良いです。

ただ、「とにかく何か資格が欲しい」という動機で何となく取得した資格などについては、応募した企業での業務とあまりに関連がなければ、履歴書に書く意味はほとんど無いと言って良いでしょう。

関連がなければ履歴書に書いてはいけないということではなく、意外性や話題性といった面で役立つことはあるので、書くのであればそこから話を膨らませて個性をアピールする材料にできるよう準備しておきましょう。

資格は持っているだけでは意味がない

次に注意しておかなければならないのは、大抵の資格は「持っているだけでは意味がない」ということです。

いくつかの例外を除き、資格はあってもある程度の実務経験がなければ、企業で即戦力になることはできませんよね。

新卒採用の場合は、実務経験がないという前提での採用ですからココを気にする必要はないのですが、中途採用の場合は話が違ってきます。
なぜなら、企業が中途採用の人材に「即戦力」を求めるケースは非常に多いからです。

もちろん、関連する資格を持っていることはプラス要素なのですが、「資格を持っている」「でも実務経験はない」という流れでガッカリさせてしまうこともあるので、慎重に話を組み立ててアピールしなければなりません。

「御社での業務に携っていくために必要不可欠だと思い、この資格を取得しました」とか、「前職で培ったこういう知識やスキルを役立てながら、資格を十分に活かすための経験も積んでいきたい」とか、今は実務経験がなくてもこれから先の未来に向かう目線で話をすることで、「実務経験がない」という部分をマイナスから0に昇華することができます。

資格というのは、努力の証であり、肩書きであり、ある種の切り札とも言えるものです。
ただ、その資格が職業と直結したもの(例えば看護士や弁護士、自動車整備士など、資格ありきの職業につながるもの)ではなく、「関連資格」や「保有していると有利になる」といった位置付けである場合、やり方次第では宝の持ち腐れになってしまうこともあるので要注意。

資格を就職成功、転職成功に役立てたいのであれば、まず鉄則として、保有資格が「仕事にどう活かせるのか」を含めてアピールしましょう。

また、これから何か資格を取得したいと考えている人は、自分がどういう仕事をしていきたいのか、そのために活きる資格は何なのかをしっかり考えて、セレクトするのが良いでしょう。