30歳からの転職。事務職でも企業からスカウトメールが来る職種は?

転職

職務経歴や保有資格などを登録しておくことで、企業側からのオファーを受け取ることができる「スカウト」機能。
リクナビNEXTなど複数の転職サイトで展開されているサービスですが、「オファーがたくさん来るのは、技術職(エンジニア)や営業職の人だけ」というイメージを持っていませんか?
確かに、エンジニアや営業といった職種で経験や実績のある人は、スカウトメールが頻繁に届くという実態があるようです。

しかし、「事務職」でも、たくさんのオファーを受け取っている人がいます。

事務職は、企業の顔となるような花形の職種ではないかもしれませんが、会社の根幹の部分で重責を担う立ち位置にいます。
会社の基盤を強化したい企業は、即戦力となる事務系スペシャリストを、中途採用で獲得しようとします。業績が上向きで事業規模を拡大したいと目論んでいる会社は、経理システムなどの基盤を強固にしたいと考えます。

事業戦略の練り直しや、財務内容の見直しなど、業務改革の必要性に迫られている会社もまた、経理や経営に関わってきた人材を欲しがります。事務職にオファーを飛ばす企業は、必然的に「会社の土台づくりを重要視している」とも考えられます。
そして、そういった企業は、このめまぐるしい世の中の変化を受けて、絶えず存在しているのです。

事務職の転職はシビア?

一般的に、転職活動は年齢を重ねるほどシビアになると言われています。

しかし、事務職に関しては、必ずしもそうとは言い切れない部分が多々あります。
中途採用で事務職の募集をする会社には、会社の基盤を強化したい、業務改革にあたってスペシャリストが必要だというような背景があります。

そうすると、長年培った経験や知識がより情報されるので、年齢がネックになることが少なくなるのです。

事務職での経験を活かして転職を目指している方は、まずこの部分を理解して、いかに自身のスキルをアピールできるかどうかが、転職成功の鍵となります。

事務系スペシャリストの転職の実態はどうなのか?ここでは、リクナビNEXTが行った調査をもとに、紐解いていきたいと思います。
この調査は、「30歳」という年齢の会員の中から、プライベートオファー(企業からのスカウト)受信数トップ100人の経験・スキルレポートを調査したものです。

30歳は、転職を志す人が非常に多いボリュームゾーンですが、当事者としては「この年齢でうまく転職できるだろうか?」という不安を抱き始めるラインでもあります。
30歳の転職の実態を知ることで、自身の可能性や市場価値を確認し、転職活動に活かしていきましょう。

オファーが最も多い職種は「経理・財務」「金融」のスペシャリスト

事務系スペシャリストの中で、最も多くのオファーを受けていたのは、「経理・財務・財務会計」の経験・スキルを持つ人。
全体の28%にのぼります。四半期決算強化の流れなどを受けて、経理システムの基盤を強固にしたいと考えている企業が、経理財務経験者の採用を活発に行う傾向があるようです。同じ理由で、金融スペシャリスト(第3位・13%)、公認会計士・税理士(第4位・8%)の人気も高いです。

経理や財務、金融関連で中途採用が活発な大きな理由は、たとえ資格を持っていても、現場での経験を積んでいなければ即戦力にはならないからです。
また、この分野で積み上げた経験は、場所(会社)が変わっても発揮しやすいものです。

経験・スキルのキーワードとして、「税効果会計」、「減損会計」、「予算策定」、「月次決算」、「四半期決算」などが目立っているよう。
また、国際会計基準や米国会計基準の経験がある人も1割以上にのぼっており、国際会計基準導入の流れを受けて注目度が高まりつつあるようです。

「経営」に関わるスペシャリストが強い

「経理・財務・財務会計」に次いで人気が高かったのが、「ビジネスコンサルタント」(第2位・16%)です。
ビジネスコンサルタントとは、ビジネスに関する総合的な企画やアドバイスをする職種。
業務改善、財務会計の分析や、問題点の指摘に加え、新規事業などの企画に携わることもあります。

簡単に言えば、企業が更なる収益を上げるために、あらゆる面から具体的な経営のアドバイスをする仕事で、幅広い知識やスキルはもちろん、経験がものを言う仕事でもあります。
中途採用での人材獲得が活発になるのは、必然と言えるでしょう。

今の時世、事業戦略の練り直しや、財務内容の見直しなどの業務改革の必要に迫られている企業は非常に多いです。
その中で、企画系の人材を求める企業が多くなっていますが、中でもビジネスコンサルタントや経営企画への注目度は特別高いようです。

「事業企画」や「営業企画」などの職種も人気

経理・財務システムや経営の強化と並んで、企業として手を休めずに続けていかなければならないのが、新規事業の開拓や、商品・サービスの拡販です。
組織がどんなにしっかりしていても、ここを疎かにすると会社は成長しません。めまぐるしく変化するビジネスの世界で、生き残り、成長を図っていきくために、「事業企画」や「営業企画」、「販促企画」、「商品企画」などの経験を持つ人へのオファーを活発に行う企業も増えているようです。

リクナビNEXTが行った調査において、「30歳の事務系スペシャリストプライベートオファー受信数TOP100人の現職種」は、第1位~第4位までが経理・財務関係や金融関係で、全体の65%を占めます。
そして、その後に続く第5位~第8位までは、企画系の職種が並びます。
割合としては、全体の18%ほどですが、人事や労務、法務、広報や総務といった「事務職の王道」とも言える各職種で5%以下の数値に留まっていることを考えると、企画系の強さが如実に表れていると言えるでしょう。