電話に出ないのは損。上司になっても「電話をとる営業マン」がデキル4つの理由

ビジネスマナー

「電話応対は新人の仕事」という認識は、多くの企業に大なり小なり浸透している暗黙の了解ですよね。

就職したばかりの職場で新人ができる数少ない仕事の一つが「電話応対」であり、これをこなすことで顧客や業者の名前、どの社員が担当しているか等を覚えることができるので、新人はもちろん電話をとることが成長への近道であるということで、電話応対を主に新人の仕事としている企業は非常に多いです。

また、上司・ベテランになればなるほど持っている仕事の量や責任も増えていくので、電話応対に時間を取られるわけにはいかないという実情もあります。
職場で年数を重ねるほどに、電話をとらなくなったという方は、少なくないのではないでしょうか?

積極的に電話に出る上司の営業マン I部長の存在

ところが、中には何年勤めていても、役職までついていても、積極的に電話をとる人がたまにいます。

私が新卒で就職した職場は、朝から晩まで電話が鳴り止まないような会社で、電話応対はまず新人の仕事、次に内勤の女子社員の仕事という認識でした。

が、ある上司の営業部長(以下I部長)が私たち新入社員と同じ勢いで電話をとっていました。
あれからかなりの年月が経ち、私自身が違う会社に転職して久しい今でも非常に印象に残っています。

「新入社員に模範を示してくれている?」
「新入社員にプレッシャーを与えている?」
「繁忙期で残業続きの内勤社員を助けている?」

などなど、当時色々と考えをめぐらせた。

が、ずっと様子を見ていると、繁忙期であろうが閑散期であろうが、電話をとれる状態の新入社員や内勤社員が他に居ようが居まいが、自身の部署宛ての電話であろうが他部署宛の電話であろうが、I部長はいつも同じペースで電話をとっているのです。

「実は暇だったのでは?」と考えた方もいるかもしれませんが、I部長は社内トップの営業成績を誇る超売れっ子(売りっ子?)で、物凄い勢いで自身の仕事を捌きながら、忙しい忙しいと言いつつも涼しい顔で電話をとり続けていたのでした。

ベテラン社員が積極的に電話に出ることの会社としてのメリットは?

その会社の営業部は営業1部~6部まであり、必然的にI部長の直属の部下たちは、「新人」でなくなっても電話をとり続ける営業マンになっていきます。

部長が率先して電話応対をしているのに、新人でないからといって電話をとらないわけにはいかないし、何よりその部のカラーとして「電話が鳴っていたらとる」という意識が浸透していました。

そして、I部長率いる営業3部は、部署単位でも常に社内トップレベルの成績を維持していたのでした。

I部長が電話をとり続けていたことによるメリットは、いくつか考えられます。

まず、社内的な部分のメリット。

部下や内勤社員、新人の模範となる

百聞は一見に如かず。
電話応対のイロハは、説明されるより側で見聞きして学ぶ方がわかりやすいものです。

とるスピード、話し方、声のトーン、メモの取り方、担当者への繋ぎ方、担当不在時の切電後の処理の仕方など、すべてモデルとして示すことが、事細かな説明や研修よりもはるかにわかりやすい指導となります。

上司としての絶大な信頼を得る

新人でもできるけれど奥が深く、数が増えれば壮絶な電話応対。
軽視されがちな苦労を共有してくれる部長ということで、

信頼関係は、取引先相手だけでなく、社内でも大切。上司からの目ばかりが気になってしまいがちですが、自分を助けてくれる同僚や後輩・部下からの信頼をきちんと得ていると、かなり仕事がやりやすくなります。

I部長はかなり強引なタイプで、その横暴さに辟易している社員も多数いましたが、その人達も最終的には「I部長の頼みなら」と頑張ってしまう・・・という不思議な現象が起きていました。

ベテラン社員が積極的に電話に出ることの営業マンとしての4つのメリット

次に、営業マンとしてのメリットを4つにまとめます。

新規の客を直でゲットできる

これは、I部長が部下たちによく言い聞かせていた部分。

会社には既存の顧客だけではなく、当然新規の顧客からの問合せも入ってきます。
100件電話をとって、そのうちの何件かはアタリかもしれない。

「最初に取った者勝ち」の会社では、電話はとらなければ損です。

部下宛の電話には直属の上司として挨拶を挟み取り次ぐことで、関係の構築ができる

部下が自力で開拓してきた顧客の場合、直属の上司とはいえ面識は数回あるか無いかということも珍しくないものですが、何かトラブルがあった時や、取引の拡大など重大な話のときには、部長が顔を出すことになります。
電話のみでも、常日頃から繋がりがあるに越したことはありません。

これは上司に限るものではなく、同僚でも名を売っておくことで、担当が休んでいるときや対応できないときのフォローが円滑になったり、現担当の異動や辞職時などに、後任者としての指名が得られたりすることもあります。

トラブル発生時には瞬時に認知、対応できる

例えば小売店での荷物の不着などの小さなトラブルも、部長直々に対応するようなケースが少なからず出てくるので、顧客からも「信頼できる営業マン」、「どんなに小さなことでも真摯に対応してくれる営業マン」として頼りにされるようになるわけです。

電話応対を通じて、コミュニケーションスキルを常に磨いている

常に顧客と顔を合わせて交渉している営業マンにとって、電話でのやり取りで学べることなどあるのか?という疑問を持つ方もいるでしょう。
しかし、電話というのは奥が深いもの。顔が見えないからこそ、きめ細かい配慮が必要になりますし、声だけで信頼関係を構築するスキルも身に付きます。

「感じの良い話し方」や「わかりやすい話し方」を学びたいなら、電話はかなり役立つでしょう。

 


いかがでしょうか。

このように、新人でなくなっても、中堅になっても、上司・役職つきになっても、「電話をとること」にはたくさんのメリットが詰まっています。

思い立ったらすぐに実行できるスキルアップ法でもあるので、これまでと違ったアプローチから成長を試みたい方は、ぜひ試してみることをオススメします。
ただ、電話応対に時間を取られすぎて自身の業務に集中できないようでは本末転倒になりますので、そこは臨機応変&ほどほどに!