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退職・転職の理由と、それぞれの事情
退職・転職の理由は様々で、「次にやりたいことが見つかった」など、将来のビジョンをある程度持った上である場合もあれば、「現職が合わない(仕事内容、職場環境など)」、「ストレス」、「過労・疾病」、「リストラ」など、将来に不安を抱えつつも、やむを得ない、といった場合もあるでしょう。
たたでさえ転職というものは、「環境の変化」、「収入の変化」、ひいては「生活の変化」といった意味で、大変な不安を伴うものです。それまで積んできたキャリアが認められ、余程転職先から求められ、優遇されない限り、転職すると収入が低下する可能性が高いのが実情です。「やむを得ない転職」とあっては、さらに相当な不安を伴うことでしょう。
転職への不安をどう乗り越えるか?
また、将来のビジョンや夢がある場合でも、転職をして、今まで通り、あるいは今まで以上の生活を営むことができるかどうかという不安は同じですし、最終的に目指すものに行き着くために、専門的な勉強や、新たなキャリアを一から積んでいく必要があって、時間やお金を要することがあると思います。
この場合に必要となってくるのは、あらゆる意味で計画性を持って行動することと、モチベーションを高く維持することです。在職中から、今後自分が進みたい道についての情報を集め、積極的に、転職イベントや選考会、面接に出向きましょう。
将来に不安を持ったままの、やむを得ない退職というのは、大きく二つに分かれます。
それは、「就職先が見つかれば、すぐに再就職が可能である場合」と、「暫く休養が必要である場合」です。
前者の場合、自分が次にやりたい仕事を探す(=情報収集)から始めて、いち早く就職活動を行いましょう。
後者は、疾病やストレス障害などで、すぐに再就職が難しい場合を指します。この場合、退職してしまうと、しばらく収入が途絶えてしまうことになります。
退職前に雇用保険(失業保険)の確認を
雇用保険(=失業保険)の給付は、会社都合(リストラなど)による退職の場合は、退職後すぐに適用されますが、自己都合による退職の場合は、三ヶ月の給付制限(待機期間)の後に適用されます。したがって、実際に受け取るのは、四ヶ月近く先になってしまうのです。
その間生活していくだけの貯えがあれば良いのですが、そうでない場合は、病状が安定するまで「休職」という形を取らせて頂き、「傷病手当金」を受給することをお勧めします。
こちらは、申請から一ヶ月前後で給付されるのが一般的ですので、転職活動が行えるようになるまで「休職」し、心身が回復してから、退職・転職へと移るのが良いでしょう。もちろん、企業側に受け入れ態勢があれば、元の職場に復帰することも可能です。
本当に辞めるべきか、否か
退職を考えるにあたり、必ず直面するのが、経済的な問題です。
生活を守るために、経済的計画を立てなければなりません。
一度、退職・転職を思い立ちますと、現職場に在籍していること自体が苦痛になったり、毎日の仕事が億劫で、モチベーションが下がったりしてしまうものですが、その勢いですぐに退職してしまうと、貯蓄がある場合は良いのですが、ない場合は、途端に経済的困窮に陥ってしまうものです。
リストラなどの会社都合による退職の場合は別ですが、自己都合退職の場合、雇用保険(失業保険)の給付には、三ヶ月以上もの時間がかかります。焦る気持ちを抑え、計画的に事を進めましょう。
また、転職の決意には、現職に対する責任感や未練も伴います。「自分がいなかったら誰がこの仕事をやるんだろう」、「皆が困るのではないか」という不安や、「職場環境や条件は悪いけれど、仕事自体は好きだ」、逆に、「仕事はつまらないけれど、職場環境や条件は良い」等、何かしら後ろ髪を引かれる思いをすることがあるかと思います。
ここで大切なのは、「自分にとってベストな決断」をすることです。
職場や仕事、仲間に対して、責任感や未練、情が発生するのは無理もないことです。冷静に、自分の人生にとってプラスになる決断をすることが大切です。
思い立ってから決断に至るまで
転職を思い立ったものの、転職活動が思うように行かなかったり、転職活動がすぐにはできなかったり、色々な壁にぶち当たることが多くあります。
加えて、経済的不安や、環境の変化に対する不安も、人によって程度は様々ですが、少なからずあることでしょう。
しかし、兼ねてより叫ばれていた就職難は、緩和傾向にあります。求人情報サイトや求人情報誌を見ると、数え切れない程の求人情報が掲載されています。
選考で、何社か立て続けに落選してしまったとしても、落胆することはありません。「縁がなかっただけだ」と、すぐに気持ちを切り替え、前に進みましょう。
変化に対する恐怖に負けない
「環境の変化に対する不安」もついても、視点を変えて、「環境を変えるチャンスだ」と思うことが大切です。
やりたい仕事を見つけて思い立った転職であれば、そう難しいことではないのですが、現在の仕事に不満があるとか、精神的・身体的に現在の仕事を続けていく自信がない、という事情であった場合、「どこへ行っても同じなのではないか」、「次がもっと辛い所だったらどうしよう」など、マイナスに考えがちです。
しかし、人と人とに相性があるように、企業と人とも相性があります。「どこへ行っても同じ」という事はありません。
これまで社会人経験を積んで、「企業を見る目」を養って来たのですから、募集要項や会社案内だけでなく、実際に面接などに出向いた際に、職場環境や、働いている人たちの表情などをよく観察しましょう。
もちろん、実際に入社してみなければわからない事も多々あるのですが、職務経験があればある程、「企業を見る目」は良くなっていると思うのです。