転職で年収を上げるために大切な5つのこと

転職

転職理由の中で、どこの調査結果を見ても必ず上位にランクインされているのが、「年収UPしたい」というもの。

「仕事量と給与の割が合わない」、「残業代や休日出勤手当てが出ない」、「いつまでたっても給料が上がらない」など、給与に対する不満を持っている人は、非常に多いのではないでしょうか?
もっと細かいところでは、「住宅手当がほとんど出ない」、「交通費が全額出ない」、「業務に必要なのに携帯電話が支給されず、手当も出ない」などといった声も聞かれます。

年収・給料は仕事選びの大切なポイント

仕事は、やり甲斐や自己実現など精神的な部分も大切です。
しかし、やはり「生活」がある以上、お金に関する問題を軽視することはできません。

「今の会社の給料では先々生活していけない」という切実な悩みを抱えている人も少なくないでしょう。
また、サービス残業ばかりで見返りがなかったり、成果を上げても評価されないような企業にいると、どんなに好きな仕事に携わっていても、むなしくなってしまいますよね。

できるだけ給料が高く、賞与(ボーナス)は年2回。
残業代や各種手当もきちんと出て、経験を積んで成果を上げれば昇給がある。

そんな会社に就職したいと、本当は誰もが願うはず。

しかし、いわゆる「就職難」と呼ばれる時代に就職活動をした人は特に、「贅沢は言っていられない、どんな会社でもとりあえず就職しなければ」という思いが先立ったものです。

筆者もまた、そんな時代に新卒での就職活動を経験した一人です。何十社もエントリーして、やっと2、3社の内定を得るというのが普通だったので、給与の内訳や評価制度を細かくチェックして取捨選択しているような余裕がなかったのです。

そして現在、正にこの世代を中心に、「今の給料では厳しい!」という現実に直面し、転職を志す人が続々と増えているのです。

転職で年収・給料はあがるのか?

ところが、実際に転職をして「年収がUPした」という人は、残念ながら少数派です。

リクナビNEXTが行った「30代後半の転職希望者・経験者293人へのアンケート調査」によると、全体の54.2%が「年収が下がった」と回答しています。
「現状維持」が17.0%、「上がった」と回答したのは、わずか28.8%です。

第2新卒であったり、20代までの転職であれば、「現状」のハードルがそれほど高くないこともあり、もう少し希望が持てる数字が出るはずです。
しかし、決して「景気が回復した」とは言い難い今の世の中、キャリアを積んできた人ほど厳しい現実があります。

それでも、30代、もしくは40代以降の転職であっても、「年収UP」という目標を見事クリアして転職を成し遂げた人もいます。
その仲間入りをするためには、一体何が必要なのでしょうか?

サービス残業・サービス休日出勤を見逃すな!

残業がなく高い給料をもらえる会社に就職できればこの上ない幸運です。

しかし、現実的に考えると、程度の差こそあれ、残業はほとんどの企業で付き物。問題は、「その分の報酬がきちんと支払われるかどうか」です。
心身に支障をきたさない程度の残業時間で、きちんと残業手当が支払われるのであれば、むしろ残業は「年収UP」のための重要な鍵となります。

現状、残業や休日出勤に正当な報酬が出ない企業で働いている人は、当然、ここを改善するだけでも年収UPができます。

平均的な残業時間や休日出勤の頻度、残業手当はどのように算出されるのか、上限はあるのかなど、面接時にできるだけ細かく(失礼にならない程度に)ヒアリングするようにしたいですね。
ただし、残業ありきで給与を設定している会社の中には、基本給が低く設定されていて、残業手当を合わせてようやくまともな金額になるという場合もあるので、注意が必要です。

また、「残業ゼロ」と謳っていながら、サービス残業が当たり前に行われている会社もあります。

この場合、基本給が並かそれ以上だったとしても、「仕事量と給与のギャップ」が発生してしまいます。
時間外や休日に会社の様子を見に行くなど、足と目を使って現実を確認してみることも大切です。

勤怠管理や評価制度が整っている会社は安心できる

勤怠管理システムや評価制度がきちんと整っているということは、「勤務時間や仕事の成果を正当に算出・評価しよう」という意欲の表れです。

こういう企業は信頼できます。正当に評価する気がなければ、そもそも勤怠管理や評価制度などに力を入れる必要性がないので、必然的に「なあなあ」になるもの。
求人票に記載されていない場合は、面接時に直接確認してみると良いでしょう。

大会社、上場企業はやっぱり信頼度◎

大きな会社は、たくさんの従業員を抱えているため、いろんな制度が整っています。

労働組合のある会社では、社員が会社に対する不満を主張するチャンスが認められているということなので、会社側も横暴はできません。
上場企業であれば「監査」が入りますので、サービス残業や無報酬の休日出勤は基本的にNGです。

そんなしがらみを掻い潜って社員を酷使する企業も皆無ではありませんが、制度そのものがない会社よりは、やはり信頼できます。

「大会社や上場企業に就職なんて、自分の力量では無理!」と思う方もいるかもしれませんが、チャレンジしなければチャンスは巡ってきません。ダメ元でチャレンジしましょう。
宝くじは、買わなければ当たらないのです。

また、「大会社や上場企業」そのものではなく、そこの子会社やグループ会社を狙うという手もあります。
こういった所では、核となる会社の制度をそのまま採用していることが多いので、社員数十人くらいの会社であっても、驚くほど充実した制度を整えていることがあります。

面接時に、給与に関する希望をきちんと伝える

お金に関する本音は言いづらいものですが、後々後悔しないためには、ある程度腹を割って話すことも大切です。
転職したものの年収が低く、結局またすぐに転職活動を迫られるようなことになると、元も子もありません。

「年収○○円以上を希望しています!」とストレートに言いづらい場合は、「現状これくらいの収入があるのですが、それ以上を望むためには御社でどれくらいの経験が必要ですか?」など、うまく前向きな言い方にすりかえて聞いてみましょう。

筆者が過去に転職活動をした時、ある企業の採用担当者は、単刀直入にこちらの希望年収を尋ねてきました。

希望を伝えると、「初任給の段階では、ご希望に添うことができませんが、○○さんと同年代の中途採用社員は、○年目にその年収に到達しています」というモデルケースを示してくれました。

この情報がとても参考になったことはもちろんですが、何よりその誠実な対応に、「この会社は信頼できるな」という印象を抱きました。
こうしたやり取りの中にも、企業の本質が見え隠れしています。

自分に限界を定めない

「大会社や上場企業への就職は高望みである」とか、「自分のキャリアではせいぜいこれくらいが精一杯」とか、自分で自分に限界を定めていませんか?
これは、とても勿体ないことです。

転職活動は、長期戦になることもあります。何社も、何十社も受けているのに、一向に内定がもらえないような状況になると、妥協したくなってくるのも当然です。
しかし、「次の一社でいけるかもしれない!」という希望は、常に持ち続けていたいものです。

自分で自分に限界を定めず、たくさんの企業に応募してみてください。
高望みしてください。どこかでフィーリングが合って、想定以上の企業から内定をもらえる可能性もゼロではないのです。

積極的にいろんな企業に応募して面接を受けてみることで、自分自身の「企業を見る目」も磨かれます。
たくさんの会社を見て、比較して、自分に合った仕事や会社を見極める目を養いましょう。それが、「年収UP」を実現し、「後悔しない転職」を成し遂げるために最も大切なことです!