転職の面接で「答えづらい質問」に対する回答のコツと想定問答集

転職

転職活動の面接において、どうにも「答えづらい質問」に遭遇した経験はありませんか?

もしくは、これから転職活動を始める人なら、「ここを突っ込まれたらどうしよう」と不安を抱いているポイントはありませんか?

転職は、多かれ少なかれ「訳アリ」なことが多いです。
そのため、面接での王道質問である「転職理由」や「志望動機」を取っても、言い方一つでマイナスイメージになってしまう危険性があり、頭を悩ませるものですよね。

また、面接では「なぜそんな事を聞くんだろう!?」と驚いてしまうような質問をされることもあります。

「これ、仕事と何の関係があるの?きちんと答えなければダメなの?」と理不尽に感じることも。
答えたくない、答える義務があるとは思えない、でも答えなければ採用されない・・・?

そんな葛藤を経験したことがある方、少なくないのではないでしょうか?

ここでは、上記のような「答えづらい質問」をスマートかつ好印象に捌いていくためのコツを、具体例を挙げながら紹介していきたいと思います。

「何度か転職を繰り返しているようですが、何故ですか?」

転職回数が多い人にとっては、かなりネックとなる質問です。

大切なのは、ここで面接官が何を確認したいのかを、しっかりと把握しておくこと。面接官の気持ちはこうです。

「忍耐力がないのではないか?」
「飽きっぽい性格なのではないか?」
「またすぐに辞めてしまうのではないか?」

質問に対する答えでは、まずこの疑惑を払拭する必要があります。

ここでは、仮に実際はマイナスな理由で転職で繰り返していたとしても、ポジティブな理由を述べることが大切です。

「キャリアアップのため」、「自分を鍛えるため」等、チャレンジ精神をアピールしていくようにします。
職歴に統一性がない場合は、「色々な職種を経験することで、視野を広げたいと思いました」といった表現をすると、ポジティブな印象になります。

ただし、上記のような理由を述べた場合、面接官は「自社もステップの一つとして、数年後には辞められてしまうのではないか?」という不安を抱く可能性もあるので、「これまでの経験を活かして、御社ではじっくりと業務に取り組んでいきたいと思っています」というように意欲を示すと良いですね。

「前職の在職期間が短いのは何故ですか?」

前職を数ヶ月で辞めてしまった場合など、その理由を説明するのに苦慮しますよね。

転職が珍しいことではなくなった今の時代でも、しばしば「せめて3年は頑張れ」と言われます。

在職期間が短いと、当然「すぐ辞めてしまう人なのではないか?」という疑問を持たれますし、「仕事のイロハもわからないうちに辞めてしまうなんて・・・」とマイナス評価を下す人も少なくないのです

そもそも短期間で仕事を辞める場合は、人間関係のトラブルがあった、ブラック企業だった等の事情があることが多いと思います。

しかし、特に人間関係については、退職理由として挙げない方がよいです。
自分に非がなかったとしても、聞く側はどうしても「こちらにも原因があったのではないか?」「またトラブルを起こすのではないか?」と思ってしまうからです。

前職で採用時の予定部署と違うところに配属になったケースなどは、その旨を正直に答えましょう。

そうした事情がない場合は、自身のキャリアアップの上で必要なプロセスだったこと、計画的な転職であった事等を伝えると良いです。

志望動機などを元に、多少脚色があっても構いません。大切なのは、「向上心による転職である」というイメージを与えることです。

「失業期間が長いのは何故ですか?」

退職した後、少し間を置いて次の職に就くという人は少なくありません。
その期間、旅行をしたり、アルバイトで生活を繋いだり、病気の療養をしたり、事情は様々でしょう。

失業期間そのものは紛れもない事実ですので、誤魔化すことはできません。
それぞれの事情を、前向きな言い方で説明することが大切です。

そして、その期間が自分にとって有意義なものであったことを必ず伝えましょう。「自分探しをしていた」などの曖昧な言い方はNGです。

「見聞を拡げ今後に活かすために、これまで経験したことのない職業をアルバイトで経験してきました」、「スキルアップのため、通信教育を受けていました」等は、ポジティブな印象を与えます。失業中に自分なりにしっかりと考えて行動し、努力し、その期間に得た経験を今後に活かしていきたい気持ちを伝えるのが良いでしょう。

病気の療養をしていたことを伝える場合は、今は回復して仕事に支障がないことを必ず伝えるようにしてください。

「完全に社会復帰するためにも時間をかけてリハビリをしました、今は万全の状態です」と、回復に要した時間に理由付けをすることも有効です。

「最近、関心のあることは何ですか?」

社会問題や業務に関係のある内容を挙げるとよいです。

例えば、巷で話題になっているニュースを、応募企業での業務と結びつけて分析するような話し方ができると、業界への関心の高さや意欲をアピールすることができます。

趣味や特技の話をするのもNGではありません。ただ、趣味の話に走りすぎず、知識自慢にならないようにするのが大切です。

また、その趣味によって得た経験を仕事に活かすことができるなら、そこをしっかりアピールするようにしましょう。

「お酒は飲めますか?」

「まさか飲酒を強要されるの!?」と身構えてしまうかもしれませんが、多くの場合は相手をリラックスさせるための質問なので、気楽に答えてもよいでしょう。

ただ、「飲めません!」というように全面否定で答えるのは避けた方がよいでしょう。

お酒を飲めないのが悪いということではありません。
相手は「お酒」というツールであなたをリラックスさせたい意図があったり、場合によっては「入社したら飲みに行きましょう」という気持ちがあったりもするので、むげに断るのは野暮です。

相手の気持ちを汲んで、「たくさん飲める方ではありませんが、飲み会などの賑やかな席は好きです」など、前向きに答えられると良いですね。

反対に、お酒が大好きな方の場合は、相手の雰囲気によっては率直に答えてしまっても良いのですが、「嗜(たしな)む程度です」と答えるのが無難です。

プライベートな質問

仕事と関係ないプライベートな質問には、どう答えて良いか悩みますよね。

しかし、「仕事と関係ないから」と突っぱねるのではなく、柔軟な対応を見せた方が吉です。

ここで見られているのは、仕事の能力ではなく人間性。仕事と関係ない質問を使って、適性や人柄をチェックされているケースもあるのです。
コミュニケーション能力を発揮して、うまく立ち回りましょう。そこから話が膨らみ、面接官と意気投合するということもあるので、あまり頑なな姿勢になり過ぎるのは勿体ないです。

あまりにも失礼な質問や、どうしても答えたくない質問をされた場合は、「仕事と直接関係のない質問なので、回答を控えさせていただけますでしょうか?」と低姿勢で断りを入れると良いです。

企業に赦されている情報収集には、職業安定法や個人情報保護法による制限があります。
ほとんどの企業では法律に違反しない範囲で質問をしているはずですが、もしチェックしたい場合は、都道府県の労働局に問い合わせをすると、知ることができます。