「やり甲斐のある仕事」を求めて転職を目指している方へ

転職

仕事に何を求めるかは人それぞれであると思いますが、特に初めて就職するときには、多くの人が「やり甲斐のある仕事に就きたい」と考えるのではないかと思います。

憧れの仕事、興味のある分野の仕事に就けば、やり甲斐を感じながら意欲を持って仕事に臨めるはず。

そう思って、数ある求人情報の中から自身の希望にあった企業をピックアップして、ある程度照準を定めて就職活動を進め、ど真ん中ではなくとも自分なりに納得のいく企業から内定を得られれば、晴れて就職先決定。そうして社会へと羽ばたいていきます。

就職したあとの、「こんなはずじゃなかった」


しかし、いざ就職してみると、「こんなはずではなかった」という事態に陥る人が多いのもまた事実。

興味のある業界に就職したからといって、配属先によっては全く関係のない職種に携わることにもなりますし、自身の希望通りの職種に就いたとしても、想像していたものと実態に大きなギャップがあったということもあります。

どんなに企業や仕事内容について事前に研究していても、「やってみなければわからない」部分はやはり多く、妥協して就職先を決めたつもりなんて毛頭ないのに、仕事にやり甲斐を感じられないという人はとても多いのです。

「仕事にやり甲斐を感じられない」は黄色信号


「仕事にやり甲斐を感じられない」というのは、転職理由の中でも上位にランクインするものです。
「もっと責任のある仕事をしたい」、「もっとスキルアップしたい」、「ずっと憧れていた仕事にチャレンジしたい」等々、今の仕事にもの足りなさを感じて転職を志すという動機自体はとても前向きなもの。

その動機を聞いて即座にマイナスイメージを抱く採用担当者はほとんど居ないと思いますが、「やり甲斐」というものを、その抽象的な言葉通りにぼんやりとしか捉えないでいると、前向きだったはずの動機も一転して弱点になってしまうことがあるので注意が必要。

恐ろしいことに、ここを曖昧にしたまま「現職にやり甲斐がない」という理由を前面に出して転職の面接に望み、面接官から「やり甲斐があるないを言えるだけの仕事をしてきたの?」という痛恨の一撃を喰らったという経験談も存在します。

「仕事にやり甲斐を感じられない」と思ったら試したい5つのチェック

  • やり甲斐のある仕事を任されるだけの実績を積み、自ら行動を起こしてアピールしてきたか?
  • 興味のない仕事に対しても、軽視せず真摯に取り組んできたか?
  • 小さなことにも喜びを見出そうとしてきたか?
  • 自身の適性と希望のギャップについて冷静に考えたか?
  • 物足りないと感じる業務の中でも、得られたもの、自ら得ようとしたものはあったか?

今の仕事が物足りない、やり甲斐を感じられないと思って、転職を考えている方は、ぜひ上記の5つのチェックをやってみてください。

なかなか耳の痛い設問が並んでいますが、これらを一度真剣に考えることによって、「今の会社でもう少し頑張ってみよう」と前向きに考えることができたり、やはり転職を決断した場合には、面接等で鋭く突っ込まれても堂々と応えることができるだけの基盤を作ることができます。

仕事の「やり甲斐」とは?

そもそも、仕事の「やり甲斐」とは何なのでしょう?

好きな仕事、興味のある分野のをしていたらやり甲斐がある?
確かにそれは言えるかもしれませんが、全く興味のなかった仕事に就いて、思いのほかやり甲斐を感じて何年も頑張っているという人も存在します。

そういう人は、与えられた環境がどんなものであっても自分らしく能力を発揮して、自ら目標を設定しクリアしていき、それを楽しむ能力に優れているのですね。
そしてこのタイプの人は、大体どこに行っても通用します。

「もっと大きなフィールドで仕事がしたい」、「憧れだった仕事にチャレンジしたい」と転職に踏み切る場合でも、前職がつまらなかったことばかりをアピールするよりは、「前の仕事では自分の興味とは少し離れていたけれども、こういうところにやり甲斐を見出して、こういう能力を身に付けることができた」→「その経験を活かして、御社でさらなるスキルアップを目指していきたい」というような、前向きな言い方をすると印象が良いです。

重大な仕事に任されてこそ、やり甲斐を感じる


「重要な仕事を任されてこそ仕事にやり甲斐を感じられる」という人もいます。
このタイプの人に大切なのは、重要な仕事を任されるだけのアクションを自ら起こしてきたかどうかです。

小さな仕事しか任せてもらえないからといって、真面目に取り組まず腐っているような人材は、どの企業も欲しくありませんよね。

新しく転職する企業でも、最初は新人ですから、たとえ経験があったとしても、多少は下積みから入ります。その期間に「やり甲斐かない」と即断してやる気を失ってしまうようでは企業もガッカリしてしまいます。

小さな仕事を真剣にこなして経験を積んでいくことは、後々大きな仕事に携わるときの財産になりますし、小さな仕事にもどこかに重要な仕事に繋がるカギが隠されているかもしれません。

そういう姿勢を崩さずに仕事に取り組み、かつ待っているだけではなくスキルアップ・キャリアアップのためのアピールをして、自らやり甲斐のある仕事を勝ち取っていくくらいの勢いが大切です。

仕事との適性はあるのか?


忘れてはいけないのが、「適性」のこと。
自分では自覚していなくても、他の人から見える「適性」というものが、確かに存在します。例えば、営業職を希望してとある企業に就職を決めたAさん。

確かに営業部には配属されたものの、任されたのは外回りの営業職ではなく営業管理事務。

「話が違う」「こんな仕事ではやり甲斐がない」と思いつつ、生活のこともあったのでしぶしぶ仕事を続けながら、1年が経った頃にはめきめき頭角をあらわし、上層部も舌を巻くほどの仕事ぶりで、さらに2~3年で「営業事務といえばAさん」と言わしめるほどの実力者になったとか。

Aさんは、決して純粋な営業職に向いてなかったというわけではありません。
人当たりもよく、快活で、むしろ営業向きだった。ただ、人事担当者の目には、「それ以上に営業事務に向いている」と映ったのでしょう。

Aさんは後輩を何人か育て主任に昇格した後、営業と共に外回りに同行する機会が増え、いくつかのクライアントからのオファーで営業担当となり、今では営業事務と営業職を一手にこなす重要人物になっているとか。

彼曰く、「何年も営業事務をやってきたからこそできる営業がある」とのこと。こんなふうに道が拓けることもあるので、意にそまぬ配属に対してはなから拒絶してしまうのも勿体ないと言えるでしょう。

これは極端な例なので、「どんな環境でも一旦は我慢すべき」と勧めるわけではありませんが、もし転職先でも希望とずれた配属をされた場合などには、採用担当者の意図をヒアリングして、返答次第では早々に見切らず、自身の適性を信じて取り組んでみるのも良いかもしれませんね。