集中力を持続させて、仕事の効率をあげるためのタイムマネジメント術

仕事論

限られた時間の中で最大の成果をあげるために重要な「タイムマネジメント(時間管理)」。
ビジネスにおけるタイムマネジメントの重要性は今や誰もが認めるところとなり、世の中には様々なタイムマネジメント術に関する情報が蔓延しています。しかし、膨大な情報に目を通して取捨選択したり、有効とされている手法を全て完璧に実行することは、忙しいビジネスマンにとって簡単なことではありません。
タイムマネジメントそのものに割く時間さえない人や、綿密な計画を立てて実行していくスタイルが肌に合わないという人もいるからです。

To Doリスト作成編、時間管理と、なるべくかんたんに導入できるタイムマネジメント術。

To Doリスト作成からはじめるタイムマネジメント術

「仕事の時間配分ができない」をなくすためのタイムマネジメント術

今回は、“集中力UP編”です。

タイムマネジメントと集中力、これは直接関係ないように思えて、実は密接に関わっています。集中力如何で、時間配分の仕方そのものが変わってくるからです。
自身の集中力の持続時間や、集中力を欠く時間の捌き方を誤ってしまうと、せっかく立てた計画そのものが水の泡になってしまいます。

巧みなタイムマネジメントを行うためには、集中力のマネジメントが必須なのです!集中力を高め、維持する方法や、集中力を欠いたときの対処法などを知って、仕事の効率UP、タイムマネジメント力UPを目指しましょう!

1日の始まりは、すぐ終わる仕事から

すぐに終わる仕事はいつでもできるから後回しにしている人も多いと思います。優先順位の高いものから片付けていくのが、タイムマネジメントのセオリーでもあります。
しかし、朝一番のエンジンがかかっていない状態(集中力が上がっていない状態)で早速重い仕事に手を付けてしまうと、思うようなパフォーマンスができずに、ますます集中力を欠いてしまうことがあります。

1日の始まりには、すぐに終わる仕事をいくつかこなすことがオススメです。
ウォームアップになるほか、小さな達成感が得られて、その後の仕事にも気分良く取り組めるようになります。

ひとつの作業の締め切りを短めに設定する


タイトなスケジュールで自分を追い詰めて焦りが生じると、集中力が低下してしまうので、あまり良くないとされています。
ただ、あまりにも時間に余裕がありすぎると、そこに甘えてしまって、作業効率が落ちてしまいます。
イマイチ集中できない状態で、ダラダラと長い時間をかけて仕事をするのは、あまりよいこととは言えません。

自分を追い詰めずに集中力を保つためには、ひとつの作業に対する締め切り時間を短めに設定するのがオススメです。
「この作業は○分で終わらせよう」、「○時までに終わらせよう」と決めておきます。細かい作業を短い時間でこなすことができれば、おのずと全体のスケジュールには余裕が生まれます。

る仕事に割く事ができる時間が2時間あるなら、1時間をリミットとして、残りの1時間はフリータイムとして考えておくくらいの意識がよいです。
時間が余ったら、さらに作業を進めたり、別の仕事に取り組むようにして、無駄な時間を過ごさないようにしましょう。

ただ、休息を入れることは集中力維持のために重要なので、短いコーヒーブレイクを入れたり軽い体操をしたりするのはOKです。

参考: <キャンドルテクニック>

ひとつの仕事が始まるときに短めのキャンドルに火をつけ、燃え尽きる前に仕事を終わらせる「キャンドルテクニック」は、集中力UPに有効とされています。
キャンドルがどんどん短くなっていくのを視覚的に確認できるので、時間の経過が意識しやすく、集中力が上がるという仕組みです。

環境的に難しい場合は、砂時計などを活用するのも良いですね。

たとえ短い時間でも、必ず休憩を入れる


人間の集中力の持続時間は、90分が限界と言われています。ただ、学生などの若い人に当てはまる数字です。個人差もありますが、心身の疲れや年齢などによって、この数字は当然落ちていきます。
さらに、集中力はおよそ15分刻みで波が訪れ、最も集中している時間は15分ほどしか継続しないとも言われています。

持続時間の限界を超えた状態で休みなく同じ作業を続けていると、集中力の低下はさらに加速していきます。
ここで一旦休憩を挟み、リセットすることが大切です。忙しくてお昼の休憩も満足に取れないような状態は、仕事をしている人なら誰もが経験したことがあると思います。

しかし、集中力を維持するためには、「忙しいときこそ休む」という意識が大切です。短くても良いので、仕事中は必ず休憩を取るようにしましょう。自身の集中力の持続時間を大体でも知っていると、休憩を取るタイミングが分かりやすいですが、集中力はコンディションに左右されて毎日一定ではありません。

可能であれば、「1時間に1度、5分休憩を入れる」などのルールを作っておきましょう。

ノッてこない時でも、まずはとにかく実行する


集中力が上がりきって来ないなと感じているときでも、まずはとにかく実行してみるようにします。
気分が乗らない状態で取り組んだ作業でも、一度やり始めるとだんだん調子が出てくることがあります。

ミスは防がなければいけませんが、完成度や作業量については必ずしも完璧を目指す必要はありません。
ミスがなく、最低限締め切りに間に合いさえすれば良いという楽な気持ちで臨むことも大切です。

作業をこなしていくうちに、うまく集中力が上がってきたら、さらにもうひとがんばりです。

ここまで経過した段階で、「疲れたな」と感じたら、休み時です。休憩を入れる、負担の少ない別の仕事を間に入れるなどして、心身をリラックスさせてあげましょう。

明らかに集中できていない時間の活用法


体調が毎日異なるように、集中力も毎日違います。いつまでも集中力が上がらない時、休憩や気分転換を挟んでもリセットできないときは、それほど集中力を必要としない単純作業などの仕事に取り組むようにしてみてください。

量が多い仕事や、緻密な作業を要する仕事は、集中力が下がっているときにはオススメしません。調子が悪いのに無理をすることで、ますます集中力が下がってしまったり、ミスをしてしまったりという危険性があります。
期限が迫っているなど緊急性がある場合は、少しずつでも捌いていくより仕方ないですが、そうでないなら開き直って「今日は軽めの仕事を中心に片付けよう」と決めてしまう方が良いです。

ファイリングやデータの整理など、「やっておけば便利だけど、なかなかそのための時間を割く余裕がない」ような事をやってみましょう。隙間の時間にこれらを片付けておくと、その後の仕事の効率もUPしますし、「集中できない時間」が無駄にせずに済みます。タイムマネジメントのための時間として活用するのもオススメです。

週単位の「To Doリスト」を作成してみたり、スケジュールの見直しを行ってみるのも良いですね。

トラブルなどで集中力を欠いたとき


トラブルやクレームへの対応など、緊急性も重要性も高く、なおかつ気分が重くなる仕事に携わっていると、集中力が途切れ、気分も落ち込み、「負の連鎖」に陥ることがあります。「何とかしなければ」という焦り。「次は大丈夫だろうか?」という不安。それらがどんどん膨らんで、自分を追い詰め、気分良く仕事に取り組むことができなくなってしまいます。

そんな時は、悪い流れを断ち切るためにも、一旦違う仕事に着手して、気持ちを切り替えることをオススメします。時間的制約もあるとは思いますが、ある仕事にトラブルが発生している横で、平常運行している仕事もありますよね。
それらをいつも通りに回していくことは変わりません。1日のうち、トラブルへの対応に取られる時間が7割、普段どおりの仕事に割く時間が3割だとしたら、その配分に工夫をするのです。

まずは集中して重要案件にかかり、1日の終わりに他の仕事をまとめて・・・という時間配分をしてしまいがちですが、やることが同じなら、リフレッシュのためにストレスのない仕事を分散させた方がよいです。
円滑に進む仕事を普段どおりにこなすことで、達成感が得られ気分が良くなります。煮詰まって集中力を欠くことも防げますし、細かい仕事の抜け盛れ防止にもなりますよ。