サービス残業をしたくない人のための残業のない会社の選び方

仕事論

自分がこなした仕事が正当に評価されて、やった分だけの報酬がきちんと得られるというのが「就業」の理想ではあります。

が、実際にはその理想からかけ離れた企業が非常に多いというのが正直なところ。
みなさんも一度は、「サービス残業」という言葉を聞いたことがありますよね?

毎日のように何時間も残業をしているのに、給料はいつも同じ。
定時は18時のはずなのに、どうして終電間際まで働いた分の報酬が得られない?

そんな理不尽な思いを抱えながら、働いても働いても増えない報酬にうんざりして、ついには転職を考え始めたという方も多くいらっしゃることと思います。

できることなら、サービス残業なんかしなくて良い会社で働きたいと、きっと誰もが思うでしょう。
しかし、サービス残業の有無は「入ってみないとわからない」というのが実態で、事前に外から判断することは容易ではないのです。

それでも、運まかせにしてJOKERを引き当ててしまうよりは、少しでも事前に見極める術を持っておきたい、サービス残業多発のブラック企業を回避するためにできるだけのことをしたいという方のために、サービス残業が多い会社とそうでない会社の見極め方を考えていきたいと思います。

「上場企業はサービス残業がない」は本当?

一般的に、上場企業は非上場企業に比べてサービス残業が少ないと言われています。

確かに、上場企業では監査が厳しいですし、労働組合がしっかりしている企業では、サービス残業に対して常に厳しい目が光っているので、残業に対して報酬を出さないという不正を働きにくい環境ではあります。

また、非上場企業であっても、上場企業の子会社・グループ会社などは親会社の管理システムや福利厚生がそのまま運用されている場合が多いので、一介の非上場企業よりは信頼できると言っても良さそうです。

ただ、上場企業およびその子会社・グループ会社であれば、必ずサービス残業がないというものではなく、残業代は出るけれど時間数に上限があるとか、まだ仕事を続けるのに一定の時間になったらタイムカードを押すのが慣習になっているというような企業も無きにしもあらずなので要注意。

「上場準備企業」は狙い目

サービス残業に対してシビアなのは、上場企業よりもむしろ「上場準備企業」です。

上場に向けての準備期間中、企業には非常に厳しい監査が入ります。
在籍している会社が株式上場に向けて本格的に準備を始めた際、この監査で見事に引っかかり、過去数年間のサービス残業代が一気にまとめて入ってきたという経験を持つ方も居ます。

HPや求人票などに「これから株式上場に向けて・・・」とか、「現状の二部から一部への上場を目指して・・・」などと書かれている企業については、「今、残業代を支払わないわけにはいかない」という状態にあることを示していますので、サービス残業をしたくない方にとっては狙い目です。

目的を達成した後にどう変化していくかはわかりませんが、「上場した途端に残業代が支払われなくなった」では社員も黙っていないでしょうから、しばらくは安泰と言えそうです。

設立して間もない会社や社員が少ない会社は要注意

新しい企業、小さな企業の全てにサービス残業がまかり通っているというわけではありませんが、あくまで可能性の問題で、そのリスクがある確率はやはり高いです。

というのも、まず設立して間もない会社ではまだ人事制度が整っていないことがあるので、管理がどうしても杜撰になったり、経営者の鶴の一声で時間外労働が発生したりすることが珍しくないからです。

設立年数の浅い会社に就職するときには、給与の内訳や雇用条件について事前にしっかりと確認しておくことをオススメします。

従業員が少ない会社では、普段の業務ではさほど問題なく少人数で回っていても、何かトラブルがあった時や繁忙期などには、人手不足によりほぼ間違いなく時間外労働は発生します。

問題はその報酬が支払われるかどうかですが、社員数が少ないほど関係が深くなり、経営者もひっくるめて「困ったときはお互い様」的な仲間意識が存在していることが少なくないので、残業代を求めにくい雰囲気になりやすいです。

「社員にサービス残業はさせない」という信念を持った経営者であれば問題ありません。
小さな会社に就職するときは、経営者の人柄や、給与や待遇に対する考え方をしっかりと見極めるようにしましょう。

平均勤続年数が短い会社はブラックの可能性=サービス残業も多い可能性

続けられない会社、人が定着しない会社というのは、何かしら難を抱えている可能性大です。
「会社を辞めたい」と思うのはどんな時かを考えたとき、答えは明白。
労働量と報酬が釣り合っていなかったり、労働があまりにも過酷であったりすると、長く続けていくのは難しいですよね。

社員の平均勤続年数が短いとか、設立年数のわりに若い社員が異常に多いような場合は、人の入れ替わりが激しい企業であることを示しているので、サービス残業の存在を疑う要素になります。

「残業なし」と謳っている会社は実は危ない?

求人業でたまに見かける「残業なし」の文字。
完全シフト制で時間から時間までの労働体制がガッチリ整っているような職場であれば信頼できますが、そうではない企業の正社員で、残業が絶対にないと言えるところが、一体どれだけあるでしょうか?

裏を返せば、残業を残業として認めていない企業である可能性も否定できないので、ここは少し疑ってかかるくらいが安全です。

求人票に書かれている就業時間を過ぎた頃に様子を見に行き、まだ稼動しているようであれば、事実上残業は存在するけれど、会社からは残業とはみなされないサービス残業が行われている可能性を視野に入れましょう。

「固定残業代」「残業代込みの基本給」を設けている会社は怪しい

一定の金額を「固定残業代」として設けている企業や、基本給に残業代を含めている企業があります。

その多くが、ある時間数を過ぎた場合にのみ、別途超過分の残業代を支払うというシステムになっているのですが、その場合、固定残業代以上~残業代発生未満の残業については報酬が支払われないことになります。

任されている業務が少なく残業が少ない人にとってはお得ですし、仕事が早い人にとってはインセンティブになるので、悪いことばかりではないのですが、残業の存在が前提条件になっているというのがそもそも突っ込みどころであることも忘れてはいけません。

サービス残業をしたくない人のための残業のない会社の選び方

※調査中