転職とは、とにかく不安が付きまとうもの。「うまく転職先を見つけられるか?」、「年収UPは可能なのか?」、「転職先でうまくやっていけるのか?」等等・・・。
ただでさえ不安だらけの転職。年齢が上がれば上がるほど、その不安は増していくのではないでしょうか?
転職は、「するなら早い方がよい」とよく言われます。
企業側が「○○歳未満」など年齢制限を設けている場合が多いことが、まず大きな理由のひとつ。
キャリアアップのことを考えても、挑戦は早い方が後々の可能性が拡がります。
また、経験を活かして転職をしたとしても、新しい会社では最初はやはり新人ですから、周囲の人に仕事を教えてもらわなければなりません。
その際、遅くに転職した人の場合は、当然年下の先輩に教わる機会が多くなってきます。
自分自身が気にしていなくても、周囲がやりづらさを感じてギクシャクしてしまうというケースも少なくありません。
「本当は転職したい。でも、自身の年齢がネックで、不安になってなかなか一歩を踏み出せない」
・・・そんな、潜在的な転職希望者は、非常に多いものと推測されます。
しかし、30歳以降、30代後半やもっと上の世代の人でも転職に成功し、新しい人生を歩き出している先輩たちはたくさんいます。
避けて通ることができない転職の不安を少しでも軽くするためには、あれこれ悩んでいるよりも、経験者の話を聞くのが一番!
今回は、大手転職サイトリクナビNEXTが行った「30代後半の転職希望者、経験者293人へのアンケート調査」を参考に、社会人として10年以上のキャリアを重ねた後の転職の実態について、考えてみたいと思います。
目次
30代後半で転職を考えた理由
この年代で、「転職」に踏み切った理由として多く挙げられているのは、「会社の将来性に対する不安」や、「給与や待遇に対する不満」です。
就職して数年の「第二新卒世代」や、30歳前後のキャリアアップを図る世代では、待遇は二の次で、自身の目標やキャリアプランを最優先に転職を志す人が少なくありません。
しかし、30代後半ともなれば、多くの人が家族を持ち、子供の教育費などを確保しておかなければなりません。マイホームを購入してローンを抱えている人もいます。
こうした背景によって、より現実的な部分が転職の動機になっているようです。「今の会社で、定年まで勤めていけるかどうか」が、大きな判断基準であると言えるでしょう。
30代後半、転職先をどう選ぶ?
ベテランサラリーマンの転職というと、「夢を追って脱サラ」という印象もあるかもしれませんが、実態はより現実的です。
一部例外はありますが、一般的に、年齢が上がれば上がるほど、未経験の業界に転職することは難しくなります。
そのため、30代後半の転職希望者は、自身のこれまでの経験を活かして、仕事内容重視で会社選びをしている人が圧倒的に多いようです。
当然、企業側もこの年代には相応のスキルや経験を求めており、即戦力となる人材を探しています。
よって、「経験を活かせる仕事」に的を絞って転職活動をした方が、おのずと成功率もUPします。
ただし、30代後半あるいは40代の方が、自身の成長や夢のために、他業種・職種にチャレンジして転職成功した例もあります。
直接的には関係なくても、これまでの経験が他業種で活きることだってあります。当然、経験が無い分、自ら率先して学ばなければならないことは多くなります。
「未経験なので何もわかりません」では、当然×です。
険しい道程にはなるかもしれませんが、諦めずにチャレンジすると、真の「転職成功者」になれるかも?
年齢は転職活動のネックになる?
アンケートに答えた293人のうち、5割以上の人が30代後半という年齢が、転職活動において「不利だと感じた」と答えています。
「不利だとは感じなかった」は3割未満。残りの2割弱は、「どちらとも言えない」と答えています。
不利だと感じたという具体的な理由は、以下の通りです。
・「この年代では即戦力として求められることがほとんどなので、冒険できる余裕はほとんどなかった。」
・「自信を持ってアピールできる経験がなかったので、若い人に比べたら書類選考で落とされることが多く感じた。」
・「職場の平均年齢が若い会社だと、そこに入るのは難しいと感じた。」
企業側の年齢制限に引っかかっていない場合でも、現実的に難しさを感じるケースが多々あるようです。
一方で、「よほど大きく年齢オーバーしていなければOK。企業側もあくまで目安として年齢制限を設けているケースが多いと感じた」と話している人もいます。
「経験や知識に加えて、リーダーシップも求められる年齢なので、それを自覚していれば特に不利はないと思う」という答えも。
要は、この年代の人材に企業が求めているものを把握して、それに沿ったアピールができれば問題ない、ということですね。
年収の現状維持やUPは可能?
年収UPを希望して転職を志す人はたくさんいます。30代後半という年代は、家族を養っている、子供の進学が控えている、マイホームを購入した等、とにかく金銭的に妥協できない時期。
年収UPとまでは言わずとも、最低でも現状維持を希望している人がほとんどです。
しかし、アンケート調査によると、転職後の年収は「下がった」と答えた人が、全体の54.2%にのぼっています。
対して、上がった人が28.8%、現状維持が17.0%です。
厳しい結果ではありますが、給与というものは年功序列で上がってく部分も少なからずあります。
勤続年数をリセットしたら年収が下がるというのは、覚悟しておかなければなりません。
ただ、経験を活かせる仕事に巡り合い、企業側の求める人材とマッチした場合は、前職と同じ、もしくはそれ以上の待遇で迎えられることも珍しくありません。
逆に、仕事内容や職場環境など、給与以上に重視したいポイントがあれば、そちらを優先するのもよいと思います。
転職活動を進める中で、自分の市場価値を確認しつつ、現実との折り合いを付けていくのがベター。
家族の反対、どう説得する?
家族を持っている人は、「転職に反対されるのではないか?」という不安もあると思います。
アンケート調査では、意外な結果が出ています。30代後半での転職を、家族に「反対された」という人は、3割未満。7割以上の人が、「賛成された」と答えているのです。
家族の反対の背景にあるものは、何と言っても「先々の生活に対する不安」です。
「この年で転職なんかして、やっていけるのかしら?」「収入が減って生活が厳しくなるんじゃないかしら?」という不安が、反対へと駆り立てるのです。
なので、ここを打破するためには、まず家族にきちんと相談してから事を進めること。
何も知らされずに突然「転職します」と宣言されても、家族は不安になるだけです。
転職したいという気持ちを伝えると共に、先々の生活に対する展望、転職後の収入の見込みなど、相談しながら進めましょう。
そうすることで、家族の不安が和らぎ、応援してくれるようになったというケースも多いです。
転職先で、年下の上司や先輩との関係は?
30代後半での転職。当然、転職先には自分より年下の上司や先輩がたくさん居ますよね。
これまでのキャリアがあるとはいっても、新しい職場では、周囲から教わりながら仕事を覚えていかなければなりません。年下の上司や先輩に頭を下げて教わり、時には雑に使われたり、叱責されたりすることもあるでしょう。
これらのことは、あらかじめ十分に想定されることなので、割り切って転職しているという人がほとんどだと思います。
しかし、現実にその場面に直面してみると、年下上司の未熟さにイライラしたり、相手は相手で年上の部下の扱いに困って、互いにギクシャクしてしまうことも。
アンケートでは、58.6%の人が「年下の上司や先輩とうまくいっている」と答えていますが、12.1%の人が「年下の上司や先輩とうまくいっていない」、29.3%の人が「どちらとも言えない」と答えています。
「うまくいっている」と答えた39歳の男性は、「年下とはいえ学ぶ点も多い。お互いに教えられるところは教えあって、良い関係を築いている」と話しています。
また、36歳男性は、「最初から実年齢による上下関係は意識していない。中途入社の割合が高い会社なので、職位の上下は経験と実力によって決まるべきとみんなが考えている」と話しています。
大切なのは、互いを認め合う姿勢や、年齢という概念にとらわれない柔軟性。年齢や職位が上だろうと下だろうと、学べる部分があれば学びあうというのが、理想的な職場の人間関係だと言えそうですね。
参考 30代後半、その転職は成功? 失敗? リクナビNEXT[転職サイト]
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