「仕事の時間配分ができない」をなくすためのタイムマネジメント術

仕事論

仕事を効率良く捌いていくために必須の「タイムマネジメント力」。限られた時間を無駄なく使い、最大限に活かすことができれば、仕事の効率UP、ひいてはクオリティUPにも繋がってきます。
業務に関する専門的な知識やスキル、経験とは別のところで、業種・職種を問わず全てのビジネスマンに求められる能力。それが、「タイムマネジメント力」です。

タイムマネジメントの重要性は、世間でも広く認知されています。書籍でもTVなどのメディアでもインターネットでも、ビジネスに関連する情報を扱う場では、必ずと言っていいほど「タイムマネジメント」というキーワードを見かけます。
ビジネスマンのタイムマネジメントに便利な手帳リフィルや、To Doリスト(1日にやるべきことを書き出すリスト)のための専用フォーマット等も、手軽に入手できます。

 

To Doリスト作成からはじめるタイムマネジメント術

 

つまり、情報は十分すぎるほど出回っている状態。少し手を伸ばせば、タイムマネジメント力UPに必要なノウハウは、いつでもどこでも手に入れることができるのです。

しかし、そんな世の中にいながら、「私はタイムマネジメントが得意です」と言える人が、どれほど存在するでしょう?
押し寄せてくる業務に忙殺され、時間をパンパンに使っているのに、残業残業の毎日。
タイムマネジメント術を試せば何かが変わるかと情報収集をしてみても、とても実践できない、そもそもタイムマネジメントに割く時間がないという方も少なくないのではないでしょうか?

システム手帳の活用、To Doリストの作成・・・確かにそれらはタイムマネジメントに有効な手段です。しかし、元来「計画を立ててから実行する」という行動パターンが苦手な人もいます。
計画通りにいかなかった時に強いストレスを感じる人もいます。書類を作成することが得意でない人は、自分しか見ないとはいえ、手帳をキレイに見やすく管理したり、To Doリストを作成すること自体に苦痛を感じることもあるでしょう。

タイムマネジメントは面倒くさい!?


単刀直入に言ってしまえば、タイムマネジメントは「面倒臭い」のです。本やネットで紹介されているタイムマネジメント術を全て実行するのは、元々そういう習慣を持たない人にとっては、並大抵のことではありません。
実行できれば、仕事の効率が上がり、結果的には良いのかもしれません。

しかし、今のままでも何とか回っているものを、慣れない苦労をしてまで改善していこうというのは、忙しいビジネスマンにとって想像以上に酷なものではないかと思うのです。

テーマは時間配分です。
仕事の優先順位の付け方や、取り組む順番の決め方など、複数の仕事をどう捌いていけば効率UPが目指せるかについて考えていきましょう。

業務効率アップのために導入したい3つの基本ルール


毎日、行き当たりばったりに仕事をしていて、「効率が悪いのではないか?」と感じてはいませんか?そして、そう認識しながらも、「綿密な計画を立てて仕事をするのは苦手」、「計画を立てていても思い通りにはいかない」等の理由で、行き当たりばったりから抜け出ないということはありませんか?

正規の就業時間は8時間程度。残業時間をプラスしても、企業によりけりですが残業時間に制限があったり、そもそも1日は24時間しかないので、仕事に割くことができる時間には限度があります。やはり、仕事はやみくもに手を付けるより、できるだけ時間を無駄なく効率良く使った方が良いです。

それならば、「行き当たりばったり」と「綿密な計画」の間を取って、「少しだけルールを作って、それを実行する」という方法を試してみましょう。
まずは、次の3つのルールを実行してみてください。

  1. すぐできることはすぐに片付ける
  2. 重要性、緊急性の高いものは先延ばしにしない
  3. 関わる人が多い、期限がはっきり決まっているものは早めに手を付ける

「すぐできることはすぐに片付ける」は、意外と重要です。
「すぐできるから後でいいや」と先延ばしにしていると、細かい仕事が後に残っていき、集中力の切れた1日の終わりにまとめて降りかかってきます。そうすると、抜け漏れなどのミスが出ることも。

こういう細かい仕事は、先延ばしにするよりも、朝イチでさっさと片付けた方が良いです。
ウォームアップにもなりますし、小さいながらも「終わった!」という達成感を得られるので、気分よく1日のスタートを切ることができます。

「重要性、緊急性の高いものは先延ばしにしない」は、誰もが当然と感じる内容ですね。
重要性や緊急性の高い仕事が後に残ると、どうしてもそれが気になってソワソワしたり、焦ったりして、集中力を削がれてしまいます。気が重い仕事ほど、早めに片付けた方が良いです。

状況によるでしょうが、可能であれば、1日のうちの早い時間、午前中に手を付けるのが良いでしょう。

「関わる人が多い、期限がはっきり決まっているものは早めに手を付ける」は、他の人に迷惑をかけない、周囲の信頼を得るという意図だけではなく、自分自身のストレスを減らすためにも大切なことです。
たくさんの人が関わっている仕事が自分のところで滞ってしまうと、当然ながら、周囲の「まだか?まだか?」というプレッシャーに晒されることになります。

また、仕事の期限が前もってわかっているのにギリギリで仕事を捌いていると、期限前に焦りを感じることはもちろん、万が一間に合わなかったときに、「期限は分かりきっているのに何故!?」という非難を浴びることになります。そんな環境では、平常心で仕事をすることは難しいですよね。

「周囲からの信頼」と「自身の平穏」は、イコールです。自分が率先して信頼される人になれば、仕事はしやすくなるものですよ。
関わる人が多い、期限がはっきり決まっている仕事は、「優先順位」の高い仕事であることを意識しましょう!

長期の仕事には小さなゴールをいくつか設ける


数ヶ月、半年、あるいは年単位で取り組んでいかなければならない大きな仕事は、細かなタスクに分けてそれぞれの締め切りを設定するというのが、タイムマネジメントの基本。
そして、その小さなゴールに向かって毎日少しずつでも実行していくことが大切です。

しかし、その小さなゴールをどう設定していくのかという部分に戸惑うこともあります。
実際に着手して進めていかない事には、細かい内容が把握できず、前もって見通しを立てることが難しい仕事もあるでしょう。

そんな時は、仕事内容はさておいて、「この日に上司やクライアントへ経過報告をする」という予定を立てるだけでもよいです。
「毎月○日頃に経過報告をします」というように、前もって宣言しておくこと。そうすれば、それなりの成果を出して報告をしなければならないという意識が働きますので、手付かずの状態は避けられますよね。

少しずつでも進めていけば、おのずと先のことが具体的に見えてきます。そのときに、具体的な目標設定を組みなおせばよいのです。
小さなゴールに細かい内容を伴わせるのは、仕事の全貌が見えるようになってからでも遅くありません。

To Doリストはできる範囲でいいので作る


その日やることを書き出すTo Doリストは、簡単でもいいので作成しましょう。自分が今抱えている仕事を書き出し、その日のうちにやるべきことをピックアップ。
そこに、おおよその所要時間を記入してみます。
その中で、重要性の高いものにマーカーを引いて、取り組む順番を大まかに決めるだけで良いです。手帳やフォーマットにとらわれず、メモ用紙やポストイット、失敗したコピー用紙の裏面でも良いのですよ。

1日のうちに2~3時間、フリータイムを設けておく


ざっくりでも良いので1日の予定を立てるときは、最低でも2~3時間はフリータイムを設けておくとよいです。「やるべきこと」で埋めない、空白の時間です。

これは、まず「横やり対策」として。
仕事をしていると、急なミーティング、来客、電話、トラブルの発生など、様々な横やりが入りますよね。キツキツの予定を立てていると、こうした横やりが入るたびに予定が遅れて、予定にゆとりがないためにフォローもできず、早々に計画が台無しになってしまいます。横やりは必ず入るものだと考えて、予定の中に組み込んでおく方が無難です。

仕事の横やり対処法については、下記の記事を参考にしてみて下さい。

「電話対応で仕事が進まない!」 仕事に集中したいのに横やりが入るときの対処法

 

もし何事も起こらず平穏に過ごせた日は、このフリータイムを有意義に活用しましょう。次の日の仕事を前倒しで片付けてもいいですし、思いのほか長引いてしまった仕事のフォローの時間に充てるのもよいです。絶対に避けていただきたいのが、ここでダラダラと過ごしてしまうこと。それならばいっそ、思い切って早退でもしてリフレッシュした方が良いかもしれません。

フリータイムを半分に分割して、一方を「重要性や緊急性の低い仕事に取り組んでみる時間」とするのもよいかもしれません。
「重要性や緊急性が低い」とは、あくまでも「現時点で」のこと。これらの仕事は時間が経つと「重要性や緊急性が高い」仕事に変貌します。

忘れた頃に爆弾となって急襲してくるので、後回しにすることが多くても、決して忘却してはいけないのです。
毎日でなくても良いので、あえてユルい仕事に取り組む時間をあらかじめ設定しておくのがオススメです。