こんな転職エージェントは信用できない!利用を続ける or やめる、判断のポイントは?

転職

転職エージェントは、担当者つきのきめ細やかなサポートで、転職希望者の心強い味方になってくれます。
しかし、サポートが手厚いがゆえに、利用者の不満や負担が増幅することも。実体験をもとに、転職エージェントを見極める目を養い、対処法もおさえておきましょう。

担当者の態度が悪い

転職エージェントでは、利用者一人ひとりに担当者がつき、転職活動をサポートしてくれます。担当者とは面談から始まり、企業の紹介、スケジューリング、面接の練習、各種相談など、密に連携していく間柄です。
それだけに、担当者との相性が悪かったり、担当者の基本的なマナーがなっていなかったりすると、利用者は大きなストレスを抱えて転職活動を進めなければならなくなり、活動の効率が悪くなってしまうこともあります。

実際に転職エージェントを利用した人の実体験に耳を傾けてみると、担当者への不満で多くの割合を占めているのが、「態度が悪かった」というもの。
「態度が悪い」というと漠然とした印象ですが、たとえば横柄で見下すような態度を取ってくる、逆に馴れ馴れしい、真剣にこちらの悩みを話しているのに適当にあしらわれてしまうなど、中身はさまざまです。

「40代の転職。明らかに自分のほうが年上なのに、連絡のたびに毎回タメ口で話されてうんざり。(40代男性)」
「希望する転職先の条件を伝えたら、○○さんのキャリアでそんなの無理がありますよと笑われた。わかっているけど、まずは何でも希望を伝えてと言われたから話したのに!(30代女性)」
「何を話すにも常に上から目線。馬鹿にされているみたいで本当に嫌だった。(20代男性)」

社会人としてのマナーや人間性に問題がある

「態度が悪い」と重複する部分もありますが、担当者の基本的なマナーや人間性に問題があると、円滑なコミュニケーションは取れません。
どんなに感じの良い担当者であっても、シビアに見極めたいポイントがいくつかあります。実体験からピックアップしてみましょう。

<連絡手段やタイミング>

「在職中の転職活動、レスが遅れがちだからといって、会社のメールアドレスにccで入れるのはヤメテ!」(20代女性)
「いくら言ってもこちらの都合を考えずに好きなときに電話してくるので困った。」(30代男性)

<言葉遣いやマナー>

「いつもタメ口。親しみやすさはあるのかもしれないけど、社会人としてどうなのか。」(30代男性)
「ビジネスマナーがなっていない。模擬面接などもしてもらうのに不安しかない。」(20代男性)

<その他>

「気配りが足りない、こちらの話をなかなか理解してくれないなど、あと一歩が残念な担当者だと何とも言えない気持ちになる。悪い人ではないけど、安心はできない。」(20代女性)
「何社か落ちたときに長々と説教された。言っていることはもっともなんだけど、ただでさえ自信喪失しているときに辛すぎる。アドバイスはナシ。ひたすら怒られました…」(20代男性)
「担当者を信頼していたから話した個人的な事情の詳細を、こちらに確認もなく社内シェアされていた。転職活動に直接関係があるような内容でもなかったのに。」(30代女性)

些細なことでも「あれ?」と感じる部分があれば、それは後々に大きな綻びになって転職活動の足を引っ張ってしまうことがあります。
安心して活動を進めるためにも、必要以上に我慢をするのはオススメできません。

担当者が頼りにならない

知識が足りない、連絡すると言っていたのに約束の時間に連絡をして来ない、段取りが悪い、単純ミスが多いなど、担当者の頼りない対応に戸惑う利用者も少なくありません。転職エージェントの利用者にとって、「担当者が頼りにならない」というのは致命的です。

また、目立ったミスや杜撰な対応がなくても、以下のような「エージェントとしてどうなの?」と感じる「頼りにならない」ポイントも要チェック。

・落ち続けているのに、打開策を提案してくれない。
・次から次へと案件を紹介するだけ。
・転職の良い所ばかりを語り、リスクについて言及しない。
・利用者の悪いところを指摘しない。

転職エージェントの担当者には、高圧的な態度はNGですが、時には力強く利用者を引っ張っていく能力も期待したいですよね。
時には耳が痛くなるような指摘やアドバイスも、納得のいく転職のためには必要不可欠。その観点から見れば、利用者の機嫌ばかり取っているような担当者もまた、「頼りにならない」と言えるんですよ。

とはいえ、担当者だって人間であり、キャリアの途中にいるわけですから、多少の経験不足や知識不足は仕方がない部分もあります。最も大切なのは、それによって何か弊害が出たときに、時間が多少かかっても利用者の不安を解消してくれるかどうか、そのための円滑なコミュニケーションが取れるかどうかです。

多少の未熟さはあっても、意思疎通がスムーズにできて、こちらの意向を汲む最大限の努力をしてくれるのであれば、それは信頼に値すると言えるでしょう。
そして、担当者と利用者だけの閉鎖された関係ではなく、困ったことがあれば相談できる別の窓口があり、担当者に足りない点をそこでカバーしてくれるような体制が整っていれば完璧です。

急かす、内定を断るとキレる等、企業寄りの姿勢が見え見え…

人材を求めている企業と転職希望者のマッチングを行い、双方が満足できる結果を導くのが転職エージェントのミッションですから、転職エージェントの目線から考えれば、利用者だけでなく企業側の満足度も重要になってきます。

さらに言うなら、転職エージェントにとっての「クライアント」は、企業なのです。国内の転職エージェントの多くは転職支援サービスを無料で提供していますよね。「どうやって運営しているの?」と不思議に思うのではないでしょうか。転職エージェントは、転職希望者に求人を紹介し、企業から内定が出て入社すると、採用した企業から成功報酬を受け取っています。

つまり、実質的には「求人を出している企業に良い人材を紹介し、内定・入社に導く」ことが、転職エージェントにとっての「仕事」と言えるわけです。

もちろん、収入源が企業側という背景があっても、転職希望者に寄り添い、熱心なサポートをしてくれる転職エージェントもたくさんあります。しかし、なかには明らかに企業寄りの姿勢で、転職希望者の思いはそっちのけ…なんていうケースも珍しくはないのです。

こういった背景から、転職エージェント側の「少しでも早く、多くの内定・入社を!」という気持ちが行き過ぎてしまうと、担当者が利用者に応募を急かす、強引に入社させようとする、利用者が内定を断ったらキレるなどのトラブルが起こりがちです。

また、希望とマッチしていない業界や職種の求人を次から次へと紹介してくる、希望を考慮せずにとにかく内定しそうな企業ばかりを紹介してくるなど、一見わかりにくい形であらわれることもありますので、十分に注意しておきたいですね。

「このエージェント、信用できないかも…」そう思ったときはどう対処する?

まずしっかりと見極めたいのは、“気になる対応”が担当者だけの問題なのか、転職エージェント全体の問題なのかという点です。後者なら早々にその転職エージェントに見切りをつける必要がありますが、前者であれば苦情を申し立てれば問題解決に向かうケースも少なくありません。
担当者の変更については、アドバイザーがたくさんいる大手の転職エージェントであれば可能ですが、中小のエージェントではそれが難しい場合もあり、どんな担当者が付くかは“運”のようなところもありますね。

ただ、担当者を変更できない場合も、こぼれた部分を他のスタッフがしっかりフォローしてくれる、担当者にきちんと指導してくれるようであれば、その転職エージェントは信用できます。
見方によっては、「合わなければ変更すればいい」という態度の転職エージェントは信用できないとも言えます。転職エージェントも一つの企業。人材を育てるという意味では、利用者との深い関わりの中で社員に経験を積ませることも大切ですよね。

利用者に不快な思いをさせずにそれができる転職エージェントなら、利用者にも有意義なアドバイスやサポートを提供してくれるのではないでしょうか。