スポ根マンガなどでは、「疲れ果てていても“気合”で乗り越えろ!」とか、「自信を持て!君なら必ずできる!」などという台詞をよく見かけます。
ナンセンスと思われる方もいるかもしれませんが、実際に心の状態とパフォーマンスには密接な関係があるのです。現実でも、どんなに実力があっても、心に迷いがあったり自信を失っている状態だと、本来の力を発揮できずにずるずると負けてしまうスポーツ選手を目にすることは時々ありますよね。
反対に、精神的に充実しているときには、素晴らしいプレイをして、格上の選手から勝利をもぎ取ったりもします。
ケガや連戦の疲れで満身創痍であっても、精神力でそれをカバーして、身体の不調を全く感じさせないほどのパフォーマンスを見せてくれることもあります。
目次
メンタルトレーニング・ポジティブ思考
より良いパフォーマンスをするためにメンタルを良い状態に保つことは、スポーツだけでなく、学業、楽器の演奏、そしてビジネスにおいても、非常に大切なことです。
書店でビジネス書の棚を見ていると、「メンタルトレーニング」や「ポジティブ思考」「プラス思考」などといったキーワードをよく見かけます。ビジネスで成功をしたいと思ったとき、知識やスキルなど具体的な部分の向上に気を取られてしまいがちですよね。
しかし、それらと共にメンタル面の強化に努めることで、より成果を得られるというのは、「成功者」たちの中では、もはや常識となっているとも言えます。
ビジネス現場でメンタルの弱さが招く具体的事例
ビジネスの現場で、メンタルの弱さが枷になる具体的な例を挙げてみましょう。
・心身ともに疲れていて、集中力が落ち、ミスが多くなる
・失敗が続いているとき、悪いイメージが心に焼き付いてしまい、自信を持って取り組めない
・くよくよと落ち込んだり、考え込んでしまい、思い切ったことができない
・表情やしぐさから「自信のなさ」が相手に伝わり、信頼を得られない
ビジネスマンに必要な「メンタルの強化」のためには、まず過労でボロボロにならないように休息の習慣を付けること。
参考)ビジネスマンのメンタル強化はがんばるために休むことから
そして、くよくよせず、失敗してもいつまでも落ち込まないよう、ポジティブ思考を鍛えることが大切であると言えます。
ポジティブな人は強い!
うまくいかない時の心理状態は、どうしてもネガティブになりがちですよね。
自信喪失状態で、弱気になってしまいます。つい、物事を悪い方へ悪い方へと考えてしまいますし、それでいて人の目や自分への評価は気になってしまう。
そんな心理状態では、状況を打破するために最高のパフォーマンスをすることは難しいです。
心身の疲れと同様、ここでも、ネガティブ思考によるマイナスの連鎖が起こる危険性大です。
ポジティブな人は、どんな窮地に立たされても、そこから立ち上がる力を持っています。
失敗をしても、「同じ失敗をしないようにしよう、良い経験ができた」と考え、気持ちを切り替えます。
そして、失敗から学び、成長していきます。
ネガティブな思考にとらわれていても、多くの場合、いつかはそこから這い出して、次へと進んでいくものなので、結局は同じなのでは?と思うかもしれません。
しかし、ポジティブな人は切り替えが早いので瞬発力がありますし、いつだってパワフルでいられます。
「ネガティブな気持ちにとらわれてしまっているな」と感じたら、次のことを試してみてください。
マイナス思考を紙に書き出し、プラスの言葉に置き換えていく
「失敗するかもしれない→失敗してもそれを次に役立てれば良い」
「周囲からの評価が下がってしまった→次の仕事でリベンジすればまた評価は上げられる」
「何をやってもうまくいかない→今こそ新しいやり方を試すチャンス」
「最悪だ→これ以上悪いことは起こらない」
物事には、表と裏があります。自分が考えていること、見ていることだけが全てではありません。
ちょっとばかり強引でも、良い面をとらえることで、気持ちを切り替えて動き出す原動力にすることができます。
理想の姿をイメージする
「こうなりたい」という理想の姿を、できるだけ具体的にイメージするようにしてください。
理想と思える人の写真を目に付くところに貼るのも良いでしょう。
自分の理想が曖昧なままだと、そこへ到達するための過程も、いつまでたっても見えてきません。
具体的にイメージすることで、それを実現するための手段も見えてくるものです。
焦らず、ひとつずつで良いので、自分の理想を紐解いていきましょう。
形から入る
手始めに、髪型やファッションなどから理想に近づけてみるのもひとつの手です。
転職活動をするときに、まずは気合いを入れるために奮発してスーツや靴を買うという人も多いですよね。
これは、意外と有効なイメージトレーニングなのです。デキるビジネスマンになるためには、デキるビジネスマン風の装いをする。
そうすると気分が上がり、結果的に理想に近づくための大きな一歩になる、というものです。
憧れの人の見た目や行動を真似てみるのも良いですね。
不安な気持ちにとらわれてマイナス思考の連鎖に陥らないためには、ハッタリでも良いので、自信があるような言動をするのが良いです。ポジティブ思考の人の言葉を音読するのもよいでしょう。
最初は「むなしいな」と思うかもしれませんが、いつかそれが染み付いてきて、「そういえばこんな言葉もあったなぁ」、「あんな考え方もあったなぁ」と思い出せるようになれば、こっちのもの。
ばかばかしいと感じても、そのばかばかしさに笑えて肩の力が抜けるなら、それはそれで良いではありませんか。
『リセット力』を身に付けろ!
「くよくよしていても仕方がないとわかっていても、重要な仕事のことで能天気に考えることはできない!」という方も多いと思います。
ポジティブ思考は鍛えることができますが、どこまで自然にそれを実践できるかどうかは、やはり性格的な部分や状況にも左右されます。
真面目な人ほど、自分のミスを責めたり、うまくいかない時には何とか打開策を練り出そうと、考え込んでしまうことも多いでしょう。
自分だけの問題では済まされないほど差し迫った状況の中で、あまりにも楽観的に考えることは、「無責任」であるとされるような場面もありますよね。
そんなときは、無理をしてポジティブ思考に変換する必要はありません。
ただ、ネガティブな思考にとらわれて、負の連鎖に陥ることだけは、何としても阻止していただきたいと思います。
くよくよしてもしなくても、やるべきことは同じ!
仕事でトラブルが発生するなど窮地に立たされたとき、誰もが一度はその状況を嘆いたり、「あの時こうすれば良かった」と後悔したりすると思います。
しかし、そんな中でも必ず「トラブルへの対処」を始めていかなければなりません。これは、悩みに悩んで落ち込んでいても、必ずしなければならないことです。そして、そのときに手際よく動くためには、メンタルの安定が不可欠。
くよくよ考えていても、考えていなくても、やるべきことは同じなら、早々に気持ちを切り替えて、次のステップに進んでいくことが大切。
自分を責めたり悩んだり、メンタルが不安定な状態のままでは、解決のためのパフォーマンスが落ちてしまいます。
後悔がある限り心は痛むと思いますが、一旦胸の奥にしまって、目の前のことに没頭してみてください。
事が落ち着いた後にもう一度振り返り、今後同じようなことが起こらないように、糧にしていけば良いのです。
考えるのに行き詰ったら、一旦考えるのをやめろ!
気持ちを切り替えて打開策を考えていても、全く良い案が思いつかない、考えれば考えるほど深みに嵌っていくという経験をお持ちの方、多いのではないでしょうか?
そんなときは、一旦考えるのをやめて、気持ちと思考のリセットをしてみてください。
お酒を飲む、カラオケに行く、銭湯に行く、スポーツジムに行くなど、何でも構いません。何も考えずに頭をからっぽにする時間を持ってください。
時間がないときは、コーヒーブレイクをしたり、タバコを吸ったり、買い出しがてら会社の外を少しだけ散歩するなどでも良いです。
出口が全く見えないのに煮詰まった状態を続けるのは、自分の心の健康のためにも良くないですし、そこからよいアイデアが生まれることも考えにくいです。少し肩の力が抜けたときに光が見えるということもありますよ。
一人で抱え込まない
「自分の責任だ」、「自分の仕事なんだから」と考えると、周囲に助けを求めず一人で抱え込んでしまうことがありますよね。
しかし、自分一人で全てを背負ってしまうと、どんどん自分を追い込んでしまいます。また、自身の問題だけではなく、一人の思考に偏ることで打開策がいつまでも見つからない、状況がわからず周囲を不安にさせる等、会社にとっても不利益が生じてしまいます。
ここは、思い切って周囲に相談をしたり、自分から助けを求めてみましょう。職場の事情や業務の種類などによっては、実際に手を貸してもらうのは難しいこともあるかもしれません。
しかし、周囲からの少しの助言が状況打開の鍵になったり、相談をして気持ちが軽くなることで自身のパフォーマンスが向上することもあります。