企業が欲しがる!「柔軟性のある人」になるためには?

仕事論

採用活動を行っている企業が、「欲しい人材」として頻繁に挙げるのが、「柔軟性のある人」というもの。

業務に直結した専門知識やスキルも大切だけれど、「最も大切なのは柔軟性である」とする採用担当者も少なくありません。
「知識やスキルがほとんどなくても、柔軟な人は吸収力が高いので、すぐに一人前になれる」と言い切る人もいます。

これは一体、何故なのでしょうか?

一般的に「柔軟性がある人」というと、頭が柔らかく、臨機応変に様々な事態に対応できる人・・・というイメージですよね。
反対に、「柔軟性がない人」というと、一つの考え方ややり方にとらわれていたり、あまり意味のないこだわりを持っていたりするイメージがあります。

人間関係などにおいて、柔軟性のなさがトラブルの源になることは、珍しくありません。
仕事も同じです。
頑固な考え方やこだわりは、時として大きな障壁になってしまいます。

考え方の一貫性や仕事の精密さはもちろん大切ですが、それだけではうまく仕事をこなしていくことができません。
困難に直面した時に、あらゆる視点から打破の糸口を見つけ出し、乗り越えていくためにも、ビジネスにおいて柔軟性は欠かせないのです。

ここでは、ビジネスの世界で求められる柔軟性について、具体的に紐解いていきたいと思います。
また、同時に「柔軟性を身につける方法」についても、考えていきましょう。

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ビジネスで求められる柔軟性~①トラブルへの対応

筋の通った考え方・発言をすること、いつでもどんな時でもブレない姿勢を貫くことは、信頼を得るために大切なことです。
しかし、想定外の事態が起これば、通常とは全く違ったやり方で対応しなければならないことも多々ありますよね。

柔軟性のない人は、トラブルが発生した時などに、既存の考え方が邪魔をして、うまく解決の糸口を見つけられないことがあります。

その結果、損害を最小限に抑えることができなかったり、自身の気持ちが折れてしまったりして、大きなダメージにつながることも。

頑固さは、言い換えれば「意志の強さ」でもあるので、必ずしも悪いこととは言いません。

しかし、臨機応変な対応や、「いつものやり方がダメならこっちを試してみよう」という発想の転換は、困難を切り抜けるために欠かせません。

トラブルが発生したときは、まずいくつかの解決手段を考え出し、一つ一つ試していくようにすると良いです。
常日頃は「あり得ない」と思っているやり方も、除外せずに残しておきます。

優先順位の付け方も臨機応変に。

上司や同僚にも相談し、アドバイスに耳を傾けましょう。
一度の失敗にいつまでも落ち込まず、失敗を糧にしながら次へ次へと気持ちを切り替えていくことも大切です。

ビジネスで求められる柔軟性~②変化への対応

ビジネスチャンスを掴む、という意味でも、柔軟性は大切です。

世の中は常に変化しています。それに伴って、ビジネスを取り巻く環境も常にめまぐるしく変化しており、その変化に対してスピーディな対応が求められます。

状況の変化、時代の変化など、あらゆる変化を敏感にキャッチして、その時その時に最善と思われる手を打っていくこと。
それが、ビジネスで成功するための鍵であるとも言えます。

世の中の変化や流行の波に乗ってビジネスチャンスを掴んでいくためには、まず情報収集能力を磨きましょう。

新聞やニュースはもちろんのこと、ビジネス誌やビジネス書も、情報の宝庫です。
たくさんの人と話をして、街中や電車の中では周囲の人々を観察して、市場調査をしましょう。

それから、集めた情報を活かしていきます。

新しいものや奇抜なものを頭ごなしに排除するのはNG。
常に他から学び、一度は試してみるくらいの姿勢でいたいものです。

そうすることで、初めてそこにオリジナリティを加えて、より新しいもの、よりよいものを生み出すことができるのです。

ビジネスで求められる柔軟性~③新しいものを生み出す

新しい商品やサービスを開発するためにも、柔軟性は非常に重要ポイントです。

既存の概念にとらわれない柔軟な発想。周囲の意見を積極的に取り入れる姿勢。
状況や時代の変化をキャッチして対応していく能力。

斬新なものを考え出す人は、必ずと言っていいほど、これらの特徴を兼ね備えています。

発想力は天性のものであると考える人も少なくないかもしれません。
確かにそういう一面もありますが、実際のところ、発想力は鍛えることができます。

まずは、自分の考え方や、これまでやってきたやり方が一番正しいという固定観念を捨てましょう。
今までそれでうまく行っていたとしても、です。

周囲の意見に耳を傾け、たとえそれが自分と180度異なる意見であったとしても、一旦は受け入れてみることです。
ここで、「自分にはない発想」を学ぶことができます。

最終的にそれを選ばなかったとしても、様々な意見に真摯に耳を傾けることで、自身の思考パターンが自ずと増えていきます。

次に物事を考えるときには、以前にはなかった視点からも考察できるはずです。

中には、人の意見や流行に流されたりすることに嫌悪感を抱く人もいるでしょうが、「流される」と「取り入れる」は根本的に違います。

自分にはない発想を取り入れて、自分の発想に更なる磨きをかける。それが、本当に柔軟性のある人のやり方です。

ビジネスに求められる柔軟性~④周囲とのコミュニケーション

ビジネスシーンでは、様々な人とのコミュニケーションが発生します。

クライアント、業者、そして社内の上司や同僚、部下など。
コミュニケーション能力は、ビジネスにおいてとても重要です。

どんなに豊富な知識やスキルを持ち、経験を積んでいたとしても、コミュニケーション能力に欠ける人は、なかなか思うように活躍することができません。

これは、家族や友人同士など、プライベートの人間関係でも同じこと。

例えば、周囲の意見に聞く耳を持たず、いつも自分の考えばかりを押し通している人とは、とてもうまくやっていけませんよね。
意見が対立していても、積極的に話し合い、片方が妥協するのではなく双方が歩み寄れるような関係は、心地よく、とても生産的です。

仕事というものは、多くの場合、他者と協力しながら遂行していきます。

大切なのは、他から学ぶ姿勢です。

他人の意見を鵜呑みにするということではなく、意見を交わし合いながら、よりよいものを目指すこと。
そこを意識できている人が集まると、仕事の質がUPします。

自分とは違う意見にもきちんと耳を傾ける姿勢は、相手に対しても好印象を与えるので、そこから信頼関係も生まれてくることでしょう。

ビジネスに求められる柔軟性~⑤転職者の場合

多くの採用担当者が、口を揃えて欲しがる「柔軟性のある人材」。

特に中途採用者の場合は、より高い柔軟性を求められるという意見を耳にします。

中途採用者(転職した人)は、どうしても以前在籍していた企業でのやり方や癖が身に付いてしまっています。

同じような業種・職種内で転職したとしても、仕事のやり方は微妙に、時には大幅に違っていたりするもの。
社内の暗黙のルールなども、もちろん違っているでしょう。
そこで新しい環境に素早く馴染めないと、出だしから躓くことになります。

単純に「郷に入りては郷に従え」ということではありません。

企業側も、新しい風を求めて中途採用者を募るケースが多いですから、「よりよいやり方を知っている」と思えば、提案してOK。
入る側も迎える側も、凝り固まらず、互いに良い所を学び合うのが理想です。

また、転職をすると、年下の上司や先輩から仕事を教わる機会が少なくないと思います。

ここで、年功序列を気にしたり、「自分の方が社会経験はある」などという頑なな考えに縛られていては、人間関係がうまくいきません。

年齢は関係なく、社会人同士として学べるところは存分に学んだ方が絶対に得!
実際に転職経験者の話を聞くと、最初は相手が堅くなっているような場合でも、自分から心を開いてアプローチすることで、次第に関係が軟化していくことも多いようですよ。