スポーツ観戦などをしていると、「メンタルの強さ」の重要性について語られることがたびたびあります。
並々ならぬ実力、潜在能力を持っていることは確かなのに、本番になると力を出し切れない選手に対して、「なぜ?」と感じることもありますよね。中には、怪我への恐怖やプレッシャーなどが要因となって、一種のトラウマ状態に陥り、本番になると思うように身体が動かなくなる「イップス」という症状に悩む選手もいます。
逆に、メンタルが強い、安定している選手は、自分の力を存分に発揮できるばかりか、時には実力以上の力を発揮することもあります。そして、一進一退のせめぎ合いのような苦しいシーンも幾度となく制し、見事に勝利をおさめます。
目次
ビジネスマンにメンタルの強さは必要
実は、ビジネスマンにとっても、「メンタルの強さ」は非常に大切です。同じ力を持っていながら、大切なときに実力を発揮してチャンスを掴む人と、そうでない人がいます。
中には、窮地に立たされるほど、実力以上の力を発揮するタイプの人もいます。この差の要因の一つこそが、「メンタルの強さ」です。
大事なときにいつも緊張してしまう、きちんと準備していたはずなのにパニックになってしまう等、「こんなはずじゃなかったのに・・・」という経験をお持ちの方は、少なくないのではないでしょうか。
ビジネスにおいて、自分の力を十分発揮するために必要な「メンタルの強さ」。
これは、持ち前の性格・性質によるところもありますが、後から鍛えることも可能です。成功している経営者の中には、自ら進んでメンタルトレーニングを取り入れている人も多いと聞きます。
自己啓発がブームになったのが今から10年ほど前。
その後現在に至るまで、書店にはその系統の書籍が尽きることはありません。精神面の向上とビジネスを結びつけた、より実用的なタイプの本もたくさん出ています。
「自己啓発」というと、高額なセミナーや怪しい団体などのイメージがあるので敬遠する人もいると思いますが、メンタルトレーニングとして有意義なものも多いので、何冊か手にとってみるのも面白いかもしれません。
さて、ここでは、より手軽に、普段から簡単にできるメンタル・トレーニング紹介します。
テーマは休息。
仕事への取り組み方、気の持ち方、オフの時間の過ごし方などを、少し客観的に見直すだけで、ふっと肩の力が抜けることがあります。
もし、何かに行き詰っていたり、ひどく疲れている感覚があるならば、是非、できることから気軽に始めてみていただきたいと思います。
がんばるために、休め!
スポーツの世界と同様、ビジネスの世界でも、悲しいかな「結果が全て」です。
もちろん、プロセスを評価されることもありますが、最後に残るのはやはり結果です。
しかし、「結果を出さなければ」という意識にとらわれすぎてしまうと、精神的に追い詰められて、心に余裕が持てなくなります。
焦る気持ちから、睡眠時間を削り、休日を削り、肉体を酷使して業務に没頭します。
そうすると、身体に疲れが溜まり、集中力が落ちます。こんな状態では、良いパフォーマンスができるはずがありません。
こうしてマイナスの連鎖に陥って、いつまでたっても結果が出ないことに落ち込み、精神的にますます追い詰められることになります。
この状態を回避するために大切なことは、以下の通りです。
・がんばりすぎない、「結果を出さなければ」と自分を追い詰めすぎない。
・積極的に休みを取る(最低限の休み時間を決め、確保する)
・どうしても休みが取れないときのために、短時間でできるリラックス法を獲得する
がんばりすぎない、「結果を出さなければ」と自分を追い詰めすぎない。
「気の持ち方」の部分です。
営業のノルマを達成していない、周囲から認められるような成果を出していない等の状況下では、つい焦ってしまうのも無理はありません。
しかし、そのことで肩に力が入りすぎてしまうと、余計な緊張をしてしまったり、気持ちが不安定になって逆に集中力を保てなくなったりします。
とにかく、まずはリラックスしましょう。
「そうはいっても、のん気なことは言っていられない!」と思うかもしれません。それなら、一人でがんばりすぎずに周囲に助けやアドバイスを求めてみてもよいかも。
袋小路にはまったまま自分一人でもがいているよりも、信頼できる人の一言が突破口になることもあります。
一人で迷走して同じことを繰り返しているよりも、何か新しいものを取り入れようとする姿勢は、周囲の目も軟化してくれます。
「何とかしようと考えているんだな」と理解を得られると、積極的に助け舟を出してくれる人が現れるかもしれません。他力本願になれ、というのではなく、必要なときには助けを得て、それを糧にまた成長すれば良いのです。
積極的に休みを取る(最低限の休み時間を決め、確保する)
「休んでいる暇はない」と思って、全力疾走していませんか?会社にいる間じゅう、少しの休憩も取らずに仕事に没頭していませんか?
それでは、肉体的にも精神的にも疲れを溜めてしまいます。
疲れが溜まると、パフォーマンスが落ちます。休んで充電し、それからまたがんばる方が、何倍も効率が良いことを知りましょう。
ハードなスケジュールで仕事をしていると、つい休むことを忘れてがんばりすぎてしまいます。
そこで、「最低限の休み時間」をあらかじめ決めておくことをオススメします。
休日出勤を避けられないなら「週に○度は、○時までに帰宅する」とか、会社にいる間も、「1時間に1回は小さな休憩を取る」とか、できる範囲でも結構ですので、「常にフル回転」だけはやめるようにしてください。
どうしても休みが取れないときのために、短時間でできるリラックス法を獲得する
空いた時間に上手くリラックスできる人はタフです。どうすれば自分の精神が解き放たれるのかを知っている人は、追い詰められる前に自分なりの充電法を駆使します。
方法は人それぞれ。たくさんあるので、いくつか紹介してみます。
短時間でリラックスをする方法
少しの時間でも横になって身体を休める
学生時代、授業中に少し居眠りをしただけで、やたらとスッキリした・・・という経験はありませんか?
15分昼寝をするだけで頭がスッキリするということで、「昼寝タイム」を導入している企業があることは有名ですね。
短時間でも睡眠を取ったり、眠らないまでも横になって身体を休めることで、心身が少しばかりリセットされます。
忙しくて目が回りそうなときは、この「小さなスッキリ」をうまく活用して。
心身をリラックスさせる(マッサージ、アロマテラピー、音楽鑑賞等)
「リラクゼーション」の王道です。最近は駅ナカなど立ち寄りやすい場所にマッサージ店がありますし、自宅で手軽にできるアロマセットなども売っています。音楽は特にオススメ。
リラックスするとき、集中したいとき、元気を出したいときなどに、自分の気分に合った曲を聞くことで、気持ちの切り替えができます。
仕事から離れて気分転換する(カラオケ、ドライブ、映画鑑賞、スポーツジム等)
自分の好きなことをするのは、何よりの気分転換ですよね。「忙しすぎて行く暇なんかないよ!」という方もいるかもしれませんが、少し空いた時間に思い切ってこれらのイベントを実施してみてください。
なかなか仲間と時間が合わない人もいると思いますので、「おひとりさま力」を鍛えるのがオススメです。筆者はかつて、とある企業に勤めていたとき、昼休みにカラオケに行ったことがあります。
歌ったのは30分程度ですが、あのリフレッシュ感は素晴らしかったです(笑)。
おいしいものを食べる
食の楽しみは人を癒します。たまには贅沢をしておいしいものを食べましょう。もちろん、贅沢なものでなくても。とにかく自分の好きなおいしいものを食べてください。
ランチの美味しい店を開拓したり、会社帰りにちょっと足を運んで食事を楽しんだり、少しの時間でも実現できるリラックス法です。
腹式呼吸をする、のびをする
ピリピリしているとき、緊張しているとき、疲れているとき等、ゆっくり深呼吸をしたり、のびをすると、少しラクになりますよ。
呼吸はゆっくりと、鼻から吸って口から長く吐く、腹式呼吸がオススメです。
いかがでしたか?この記事を読んで、少しでもリラックスできた、という方は、ここから考え方をポジティブにすることが必要です。
続きは、次の記事で!